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野球留学に見る私立高校の生き残り策

【PJ 2006年08月13日】− 夏の甲子園で11日、青森県代表の青森山田が宮崎代表の延岡学園に7−0で圧勝した。ホームランで先制し、次は三塁に盗塁しスクイズで得点を加えるなど、大技小技を絡めての試合運びは東北地方の高校とは思えなかった。長い間「優勝旗の白河越え」が悲願だったが、駒大苫小牧があっさり「津軽海峡越え」をやってのけ、さらには2連覇を達成、今大会は3連覇を狙っているという時代になったのだから、東北地方の高校も強くなれるのだ。「北国のハンデ」という言葉は弁解にしかならなくなった。

 ところで、青森山田は大阪出身者が多く、県内出身者は登録メンバー18人のうち4人でしかない。甲子園大会に出場するために、出身地と異なる都道府県の高校に進学することを「野球留学」というが、近年、批判の声も大きくなりつつある。昨夏の甲子園大会開会式では、文部科学大臣が野球留学を批判し、今夏も大会開始直前に日本高野連が野球留学の実態調査の資料を公表した。

 しかし、東北地方の私立高校にとっては、生き残りに絡むことでもある。首都圏と違って公立志向の強い東北地方では、私立高を公立高の滑り止めとして受験する生徒が多い。少子化の時代になって、公立高でさえも整理統廃合が進む中、私立高もいつまでも公立高の後塵を拝しているのではなく、生徒から第1希望とされる魅力ある学校づくりをしていかなくては存亡の危機に立たされかねない。

 さりとて、首都圏のように進学実績を掲げて生徒集めをするには時間がかかりすぎるので、スポーツで優秀な成績を収めることに必死だ。学費を免除して有望な生徒を入学させたり、有名校の元監督を入学相談に当たらせたりして野球留学者を増やしている。その結果、甲子園に出場し活躍すれば入学希望者もさらに増える。

 ただ、高野連は高校の生き残り策まで配慮しはしないだろう。野球留学の実態を公表して、批判の声を全国的に高める作戦のようだ。昨年の結果だが、2005年夏甲子園出場校、各都道府県の野球留学状況によれば、甲子園での成績も他県出身者が多い高校ほど上位に進出している傾向が読み取れる。

 サッカーに例えてみれば、ブラジル代表として選出されるのは難しいから、日本に帰化してワールドカップに出場しようとするブラジル人が日本代表の過半数を占めているようなものだ。遅かれ早けれ他県出身者の人数を制限する方向に動くのではないか。

 そうなってから対処しては遅い。力をつけた今のうちこそ地元の生徒も含めて強化すべきだ。プロ野球でも、他球団のエースや4番を多数獲得して強化を図った巨人は今低迷している。自前で育てる努力を怠ってはならない。【了】

■関連情報
ベンチ入り3096人が県外出身…高校野球で初調査
http://www.yomiuri.co.jp/sports/hsb06/news/20060805i512.htm

「甲子園へ」集う選手
http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000000608090005

2005年夏甲子園出場校、各都道府県の野球留学状況
http://www4.ocn.ne.jp/~haru28/2005riyu.html
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小菅 俊幸【 岩手県 】
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