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男性が一人暮らしになった時=日本向老学学会(中)

2006年08月02日08時27分 / 提供:PJ

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男性が一人暮らしになった時=日本向老学学会(中)
重いテーマを淡々と話す岩田英夫さん。生活の実際の場を一つ一つ丁寧に、ユーモアを交えて、説明する。穏やかな表情が印象的。(撮影:常陸 薫、7月30日)
(上)からのつづき。日本向老学学会第一分科会は、妻と死別し母を見送った岩田英夫さんの「男性が介護するとき」というテーマだった。中年の男性が一番恐れていること。それは、妻に離婚を言い出される事と聞く。男性にしてみれば、今、離婚すれば家事全般を自分でしなくてはならない。女性だから家事をするのが当たり前と、女性に家事、育児、介護などを「任せて」きた日本の風習。そのような日本の風習のなか、逆の立場になった時、どのような選択肢を選ぶか。「人」としての、資質が問われる。

 妻が突然倒れ、救急病院へ。付き添ったのは84歳の岩田さんの母親。岩田さんは妻の介護をすることを決める。52歳の時だ。会社をとるか、妻をとるか、決断する自分に腹が立ったという。子供は、高3の息子と大学生の娘。高校生の息子には御弁当を持たせ、ジョークややさしさも必要と、時には、紅しょうがでハートマークを作ったり、2段重ねの御弁当を作ったりもした。

 妻の介護に付き添っていた時のこと。病院で好奇のまなざしで見られる時があった。軽蔑の目と少し羨望の入り混じったまなざしで見られることもあった。「あの人、会社をどうしているのかしら」「家政婦を雇うのがもったいないから、介護をしているのではないかしら」と。平成2年当時、まだ、夫の妻への介護は珍しかったという。確かに入院病棟は「家事、育児、介護は女性の仕事」という、日本の風習が顕著に現れる。“女の園“と思う事がある。妻が夫の病気に付き添うのが、当たり前。夫が妻の看病に専念する人は今でも少ないだろう。好奇な目でみるのは、男性への逆差別あると憤る。

 妻を亡くした後、母親96歳を見送る。“老老介護”も経験する。苦しみぬいた妻と穏やかに死を迎えた母。子供たちは独立し、今は一人暮らし。もともと、炊事・洗濯・掃除は苦にならないが、好きになる努力はしている。食事は3食、手作りで外食はしない。ただ、裁縫は苦手とはにかむ。岩田さんの講演は、今の生活を楽しむ明るさと強さがある。

 高齢者社会に向かっている今日。男性も家事などを「当たり前」に出来たほうが、自分が楽である。世の中の“常識”にとらわれない自分自身の物差しにあった行き方をしたい。【つづく】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 常陸 薫

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