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「親の心子知らず」か、富田メモの公表

【PJ 2006年07月25日】− 富田朝彦元宮内庁長官のメモが公表され、靖国参拝に対する昭和天皇の肉声が白日の下に晒されたことで、国民の間にも大きな動揺が起こっている。A級戦犯については、この60年間散々批判され、特に東條英機は、最高責任者として国の内外がら激しい攻撃を受けてきた。しかし多くの戦争体験者は、真実を知っていた筈だ。

 大日本帝国憲法を第1条から一読するだけで、天皇が唯一決定権を持った最高指導者であったことは明白だ。天皇は、衆議院の解散権・首相 閣僚の任免権・官僚の任免権・宣戦の布告と講和・軍の統帥権を持つ統治権者であった。「天皇陛下の御ために」といって国民が戦争に出かけたのは、当時の憲法に沿った正しい認識なのだ。

 天皇の一喝で、首相・閣僚が襲撃されたクーデター(2.26事件) も頓挫したし、満州事変の奏上不備で、最強の軍閥内閣田中義一首相も「陛下の信頼を損ねた」と辞任した。従来より昭和天皇は、自身の判断を誤らせた人物として、松岡外相・白鳥イタリア大使に激しい怒りを持っていることが想像されていた。

 またA級戦犯のうち、木戸幸一と東條英機には、全幅の信頼を置いていたことが、戦後の天皇独白録からも推定されている。法的に言えば、首相・閣僚・官僚・軍人も、天皇の指示に従って戦争を遂行したのである。今回のメモ公表は靖国参拝阻止を目指す勢力にとって追い風になるという説がある。

 しかし、このことによって、国民からA級戦犯だけに責任を押し付けることに疑問が噴出し、世論は戦争責任追及に舵を切ることになるのではないか。あいまいであった責任の所在も、天皇・皇族・元老・閣僚・官僚・議会・軍部と順次追及されることによって、明白になってくるようにも想像する。

 近衛文麿や石原莞爾こそ超A級戦犯だと指摘する声もあるが、国内外の情報収集を怠り、元老・閣僚・官僚・軍部に対して、的確な指示を行わなかった昭和天皇の責任問題は重大である。それにしても、個人的なメモを公表するとは「親の心子知らず」か、故富田朝彦氏の遺族もおろかなことをしたものだ。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 田隆【 大阪府 】
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