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違う事はいい事

【PJ 2006年07月12日】− ニューヨークほど変化の早い街はない。タクシーの運転手を見れば最も新しい移民を知る事ができると言われるが、訪れるたび運転手の顔ぶれはがらりと変わっている。

 911以降は移民政策が厳しくなったとはいえ、やはりニューヨークは移民が作る街。ニューヨーカーは人種も価値観も異なる。「違う事はいい事」とニューヨーカーが言う。日本では「違う事は悪い事」だ。変化も好ましくない。

 国際的な合併や提携が増え、欧米人やアジア人の社員が日本のオフィスで働く光景も珍しくないというのに、私の知る帰国子女は、会えば会社でのセクハラすれすれの言動や男女間の賃金格差など、たっぷり2時間はグチる。

 彼女の置かれている状況も心理状態もよくわかる。海外に住めば最初はカルチャーショックを受けるが段々その国のやり方になじんでいく。単一的な価値観が支配する日本に戻れば今度は逆カルチャーショックを受ける。新しく得た合理的な知識は容易に捨てられない。そうした帰国子女の新しい視点を取り入れるのは企業にとっても有益だと思うのだが、日本人は違うものは排除したがるようだ。帰国子女が学校でイジメに遭う事すらあるという。世界の先進企業では異文化間の理解度を上げるトレーニングを行なって業績アップにつなげようとしているというのに。

 多文化に慣れているアメリカ企業が第2次大戦後、文化の違いや多様性に対応できるよう異文化トレーニングを開発し、外国に転勤する社員や家族が生活に困らないよう、言語や知識をブリーフィングする。こういった研修は世界中で行われており、進歩的な企業は国境や人種の文化衝突を乗り超えて成功する方法を模索しているのだ。

 私は必ずしも違う事がいつでもいい事だとは思わないが、「違う事はいい事(Being different is good)」とワシントンDCからの帰り、アムトラック車中で出会った60代の女性はきっぱりとそう言った。移民が作った街の住人のずしりと重い一言だった。【了】



※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 工藤 明子【 東京都 】
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