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進化したニューヨークの落書き

2006年07月10日10時37分 / 提供:PJ

pj
進化したニューヨークの落書き
NYの地下鉄グラフィティも今では大人しいもの。(2004年12月、撮影:工藤明子)
70年代のニューヨークといえば大不況で、犯罪と失業の増加による治安の悪さで悪名高かった。当時の地下鉄は映画「ワイルドスタイル」でも描かれているようにヴァンダリズム(註)の恰好の標的で、ゴーゴーと轟音を立てて走る老朽化した車両いっぱいに描かれたグラフィティ(落書き)には目を見張った。それはワイルドなパワーに満ち、芸術と見えなくもなかった。事実、80年代に入ってからはストリートアート、グラフィティアートとして認められるようになり、ジャン・ミッシェル・バスキア、キース・ヘリングなどが輩出した。今、劇的にきれいになった地下鉄車両を見ると、当時の汚い車両がなつかしくない事もない。

 1982年にその落書を一掃したのがジュリアーニ元市長である。「破れ窓の理論」(註)を実践して一面グラフィティで覆われていた地下鉄とバスの清掃に着手し、1989年頃までには姿を消したが、最近落書きが「進化」して戻って来たという。

 かつてのエアロゾール・スプレーに変わって、エッチング・アシッドという塗料を使うので洗えないし、消せないのだ。が、全車両のうち800両ある川崎重工製の車両は被害に遭わない。それは、窓に特殊フィルムを使用しているからで、このフィルムをはがせば落書きも一緒に消えるのだ。市交通局はこれからすべての車両の窓にこのフィルムを装着する予定で、それには30億円という膨大な費用がかかるという。

 私としては貧困問題とヴァンダリズムの相関関係研究に予算を回して根本的な解決に取り組むべきだと思うのだが。

(註)
ヴァンダリズム : Vandalism/破壊主義
「破れ窓の理論」:1つの破れ窓でも放置すれば大きな荒廃につながるという理論。

【了】


■関連情報
参考サイト
フロントランナー
キース・ヘリング・ウェブサイト

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 工藤 明子

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関連ワード:
ニューヨーク  落書き  タイ王国  貧困問題  
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