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シニア時代、あなたも芸人になれるぞ!(下)

2006年07月09日08時28分 / 提供:PJ

pj
シニア時代、あなたも芸人になれるぞ!(下)
福岡詩二さんは、バイオリンで『大正演歌』を披露する。当時は偽の大学生の大道芸人も多かったという。(撮影:穂高健一)
妙技の『南京玉すだれ』は3人の競演だった。おなじ『南京玉すだれ』でも、3人はまったく流派が違い、衣装も違っていた。
 川上千里さん(68)は薬剤師で、製薬会社研究室で定年まで勤務した。芸の道への動機は、「酒も呑めない、カラオケも歌えない。無芸を恥じて宴会用に」と定年の2年前から独学ではじめたという。奥村篤史さん(65)は元精密機器の会社員。この道の経験年数は8年である。演芸講習会に参加したのがきっかけだった。古川幹夫さん(62)は元銀行員で、現在は社会保険労務士。芸の経験は10年。動機は定年後のボランティアを見据えてはじめたという。
『南京玉すだれ』は中国伝来の芸かと思いきや、『玉すだれ』は平安時代から伝わる伝統芸能だという。三人はすだれを自在にあやつり天橋立、長崎のめがね橋、ニワトリ、荒波と作りだす。ラストは華やかな紙吹雪で締めくくった。

 福岡詩二(うたじ)さん(東京演芸協会理事)は、大正時代(1912−1926)に一世を風靡(ふうび)したヴァイオリン演歌を披露。これはそのころの事件を唄にした、いわば当時のシンガーソングライターともいえる。福岡さんは着物に袴という当時のスタイルで演じ、『
金色夜叉』、『船頭小唄』、『東京節』などを唄った。現在は大正演歌の教室をやっており、弟子も育っている。

 三遊亭圓王さんは噺家の真打で、古典落語の『皿屋敷』を披露した。圓王さんは年に二回は『圓王百席』という独演会をやっている。他方で「三遊会」を立ち上げて後輩指導にも取り組む。プロの立場から、芸の道を志向するシニア世代へのアドバイスをもらった。

「シニアたちの経験豊富な人生が、芸の道では役立ちます。芸にも幅がでてきます。人生の味が出て、若手のプロ落語と較べてみても、遜色なかったりします。観客にも説得力が出てきます」と強調された。芸には遅すぎた、というハンディはないようだ。
「まず、なにをやりたいか考える。これなら自分でも何とかやれそうだ。そう思ったら、勇気を持って挑戦してみることです。一つがダメでも、あれこれやってみれば三つ目、四つ目あたりで、これだと思うものに突き当たるものです」という。また、「体育系は注意して、ゆっくりソロソロやってください。文化的なものはいきなり夢中になってもだいじょうぶ」という心強いアドバイスをもらった。

 日本人は感動が薄れたとよくいわれる。この会場の様子を見ていても、人生経験豊かな熱演は、観る側までも『夢中』にさせるようだ。「文京区には演芸大会はあまり聞かないし、会場設営の区職員の方々までも面白がっていました」と教えてくれた。

 終了後に、感動した観客のひとりから主催者にメールが入ってきた。
「大変に素晴らしく、終始笑いの中で楽しく感激しました。出演者の熱演は観客にも良く伝わってきました。また、受付関係や手順、段取りも概ね順調で、関係者や舞台裏のご努力が伝わってきました」(友澤潤次郎さんより:抜粋部分は原文どおり)という感動のメールがすぐさま届いていた。

 団塊の世代がもはや60歳になってきた。三遊亭圓王さんのことばを借りれば、シニアに到達した人でも、これから芸を目指しても遅すぎた、ということはないようだ。芸の道に入ったら腕を磨き、大いに笑わせて日本人を心豊かにさせてもらいたいと願う。【了】


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記者HP:穂高健一ワールド



※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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