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中田、新庄、荒川、イチロー

【PJ 2006年07月04日】− サッカーの中田英寿選手が現役を引退した。30才前後は、超一流選手として、まだまだやれる部分と、まもなく限界になる部分が、せめぎ合う頃。世界のレベルを体感した選手なら、それをより強く感じるだろう。

 スポーツ選手にも、いろいろなタイプがいるが、一流プロなら、小学校の頃から、一つの道を進んでくるのだから、30才頃までやれば、20年は同じスポーツをすることになる。自分のレベルは分かるはずだ。そのスポーツで燃焼し尽くしたとき、その先に何があるのか。30才でどういう方向に進むのかを考えるのは、当然だ。

 プロ野球の新庄剛志選手にしても、大リーグに挑戦して、自分のやりたいことはやってきて、引き際を判断したのだと思う。プロへの転向を頂点の時に決めたフィギュアスケートの荒川静香選手も、新しい考え方の持ち主のような気がする。大リーグのイチロー選手は、まだまだ世界レベルでやることがあると考えているのだろうが、テレビドラマの古畑任三郎シリーズに役者として出てから、何か本音が素直に出るようになったように見える。彼も、内なる目標を達成したと思ったときに、その後の人生をどうするのか驚くような展開を考えている可能性がある。

 日本のスポーツ選手も、ずいぶん変わったと思う。単なるストイックさや、職人気質ではなく、自分の人生を使い捨てでない、自分の物として、思うままに生きる人が多くなったのは、良いことだ。視野の広い頭の良さを背景にして、インターネットによる、ファンや、社会との情報のやりとりが、彼らの方向を決めてきているのではないか。

 中田選手は人生を旅といったが、古来、人生は時間の旅であり、ふと立ち止まったときに、「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し」といった鴨長明の方丈記の書き出しが浮かんでくる。13世紀のことだ。

 中田選手は、別に隠居するわけでなく、世界の実業家とか、サッカーの大プロモーターとか、ハリウッドの俳優とか洋々たる未来が開けるだろう。そこから、何十年の旅をして、またサッカーの監督になる道もあろう。

 一旗揚げて、そこを引くというのは、大変難しい。どこかの国の銀行の総元締めを見ているとよく分かる。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 安居院 文男【 東京都 】
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