【ファンキー通信】なにげない一言「それ、知ってます」が、あなたを窮地に追い込む!?

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 普段何気なく使っているような言葉が、誰かに不愉快な思いをさせてしまうということはよくあること。例えば「それ、知ってますよ」

 この言葉、実はビジネスシーンにおいて禁句らしい。

 そもそも「それ、知ってます」はなぜ相手に不愉快な思いを与えてしまうのだろうか? キャリアカウンセラーとして活躍する蛯原恵子さんにお話をうかがった。

 「自分の知識をひけらかしているという印象を与えてしまうからでしょう。『知ってるんなら、お前やってみろや!』と叱責されてしまうのがオチでしょうね。もしくは、『ハイハイ、わかりましたよ〜』と子ども扱いされてしまうでしょう」(蛯原さん)

 つまり、言われた側からしてみれば『知ってるからなに?』ということなのだ。自分の知識をひけらかしたからといって話が前に進むわけでもない。では、どのような発言なら受け入れられるのだろうか?

 「他人の発言を受け止める言葉が重要なのです。『たしかに〜』『なるほど〜』というように、相手の言葉を受け止めた上で自分の意見を述べるのが効果的といえるでしょう。ただの正論を言うだけではダメ、いかに他人が受け入れやすく言えるかがポイントです」(同)

 蛯原さんは言葉は生き物であると語る。例えば「左様でございますか」という言葉でも、言い方や状況によって相手に不快感を与えることだってあるのだ。『自分が言われて嫌だと思うことは言わない』『相手の立場になって考える』、そういった基本的なことが重要なのである。

 「電車が遅れて遅刻する場合でも、言い方によって印象は変わってきますよね。電車の遅延は不可抗力であるにせよ、遅刻という事実は失礼なことです。謝罪に重きを置いている言葉か、それとも電車の遅延に重きを置いている言葉か、受け取る側にとっての印象も変わってくるはずです」(同)

 確かに電車の遅延という言い訳ばかりが目立つ文章だと、遅刻という事実を認めることなく、他人のせいにばかりしているような印象を受ける。

 謝るときも、発言するときも、『相手の立場になって考える』ことが大事。小さい頃、親や先生から言われた覚えがあるような基本的なことだ。そんな単純なことがビジネスで成功を収めるカギだったりするのでは? (加藤克和/verb)

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『派遣スタッフのための成功法則84』 - 文中でコメントを寄せた蛯原恵子さんの著書