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この報道写真があなたに何を訴えているか?(中)

この報道写真があなたに何を訴えているか?(中)
観覧者は、『ハリケーン・カトリーナの被害』マイケルアップルトン(米国)のまえで、真剣な表情で見入っている。東京・恵比寿の東京写真美術館で開かれている、『世界報道写真展2006』で。(撮影:穂高健一)
【PJ 2006年06月25日】− (上)からのつづき。東京都写真美術館で開催されている『世界報道写真展2006』では、部門ごとに上位の写真とキャプション(説明)がパネルで展示されている。悲惨な戦い、目を覆いたくなる事件、痛ましい事故のみならず、明るいスポーツ写真、決定的な瞬間写真もある。

 部門ごとに展示の写真キャプションを部分引用しながら、上位写真を紹介したい。『一般ニュースの部』はデービッド・ガッテンフェルダーさん(アメリカ)。パキスタンで発生したマグニチュード7.6の地震後、野外病院で撮影したもの。9歳の息子が腕を切断した。手術後の痛々しいわが子を抱きしめる父親。天災の悲惨さ、と同時に親子の愛をしっかり伝えている。

 『スポット・ニュースの部』は、モハメド・アザキールさん(レバノン)で、トラック爆弾テロの現場で、助けを呼ぶ男性の姿をとらえている。一枚の報道写真から、テロリストがいかに市民を巻き添えにし、日常生活を痛めつけているか、という庶民の憤りを発信している。

 シンプルな情景写真で、天災の怖さを伝えているのが、『自然の部』のマッシモ・マストロリッロさん(イタリア)。インドネシアの巨大津波の二カ月後に写されたもの。風景のなかにはヤシ樹木の残骸しかない。熱帯の緑の美しい海岸線など跡形もない。それだけに、自然災害の恐怖が心底からわき上がってくる。

 決定的な瞬間をとらえた写真は『スポーツ・アクションの部』のジョン・G・マバングロさん(アメリカ)。カナダで行われた、世界水泳選手権の女子3メートル飛び板飛び込み予選大会。前宙返り二回半を試みて失敗、女子選手が飛び板に顔を打ち付けた瞬間の写真だった。観ている側の背筋がぞっとさせられた。他方で、女子選手があまりにも気の毒。軽症だったというパネルの説明書で安堵した。いかなる状況下でも、沈着にシャッターを押せる報道カメラマン魂をのぞき見た写真だ。【つづく】

■関連情報
 会場 東京美術館 二階展示室
 場所 東京都目黒区三田1−13−3 恵比寿ガーデンプレイス内
    JR恵比寿駅東口より徒歩7分
 電話 03−3280−0099
 観閲料 一般700円 学生600円 中・高校生/65歳以上400円(各団体割引あり)
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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