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PJ、韓国メディアに聞く(上)

PJ、韓国メディアに聞く(上)
自宅に日本からの珍客を招き、ネクタイも外さず熱く語る大徳ネットのイ(李)社長。46歳に見えない若々しさ。その口癖は、「人と人」を結び、「技術と技術」を結んで、「新しい価値を創出」することである。家族四人で暮らすマンションは12階、4LDK。窓外に広がる夜景が見事だった。集合化住宅政策により、この国には巨大で高層の住まいが多い。(撮影:今藤 泰資)
【PJ 2006年06月21日】− ここ数年、日韓に高まる緊張感は韓国サイドの恣意によって醸成されてきた。また両国マスコミは、オピニオンを主張しながら、商業主義によって緊張を増幅させてきた。「竹島」「靖国」「教科書」「歴史認識」などいかほど理論しつくしても、結論には至らない。両国トップの会談は中止されたまま、この先どこへ行くのか案じられている。

 だが、現実はどうか。日本での「韓流ブーム」、韓国での音楽やマンガの流行という「日本志向」は、政治やマスコミの操作に関わらず、深い関係を維持している。或いは闇の世界にまで、両国の非合法組織が関係を深めている。暗部まで深まった関係は現状認識の上で看過できない事態。「悪しき関係」にまで両国は親密になっていると言いたい。

 こうしたなか、PJは茨城県水戸市の茨城NPOセンター・コモンズ関係者に同行。仁川(インチョン)、太田(テジョン)、清州(チョンジュ)及びソウルの4都市を訪問した。主たる目的は、チョンジュにあるNPO団体来日への答礼であり、各地の環境団体との交流にあった。同様の機会は、PJの所属する茨城大学と、提携を結ぶチュンブック(忠北)大学(忠清北道清州市にある国立大学)との深い絆によって過去複数回に上っているが、図らずも今回、2人の韓国メディア人と接触、彼らの思想発想に接する好機を得た。

 訪問の先々で、私は「日本のPJ」と紹介されたのがきっかけだ。写真のイ・セクボン(李石鳳)氏は数年前からの知人。今年1月からライブドアのサイト上でPJ記事を書いていると知り、「私は根っからのジャーナリスト」と親近感を深めてくれた。イ氏は元中央日報の敏腕記者、日本駐在の経験もあり、流暢な日本語を話すエリートだ。彼の主宰する「株式会社大徳ネット」(HelloDD.Com)はウエブサイトの新聞社。メディアでありながら、人材育成や広報活動の支援機関であるのが特長。ネット上での自社や大徳バレーの紹介が、日中両バージョンでキャッチできるのにも瞠目させられる。

 1999年末、39歳で韓国第2位の大新聞社を離れ、自立した理由を、イ氏はこう語る。「大組織の場合、及ぼす影響力は強くても、自分の意思と反する場合も少なくない」とし、「小さくても自分を大きく主張したかった」と言う。折りしも故郷のテジョン(太田)は人口120万人の広域市で、韓国版シリコンバレーの「大徳バレー」は技術先進国を目指す先端技術のメッカ。ユソン(儒城)温泉が市街地にあるのも恵まれている。

 創業当初5人だった社員は15人に増え、事務所も以前より大きくなったが、「食べるのに精一杯」と言う。それでも今年から大徳バレーが経済特区に指定され、話す言葉に迷いはない。事務所での談話、昼食会場、夜の酒席、自宅での懇談…そこには親しい知人との会話を楽しむ有能な事業者の姿があった。日本の実情を知る彼は、恐らくネットの持つ「魅力と魔力」を教えたかったに相違ない。政権を打ちたて、存亡の危機に陥れる程の力を持つ「ITの社会力」に、日本人はまだ気づいていないからだ。

 彼との会話の多くは、昨今の日韓不調和に費やされた。異口同音に口に出たのは、「他人と自分の違いを認めること」であった。国際交流は政治が主であってはならない。経済が自立すれば良いのではない。国家や経済が、文化に優先してはならないのだ。個々人の力は弱くても、血潮がたぎる関係は構築できるものなのだ。

 イ社長の持つ素晴らしさは、夕食後の数時間、私たちを高層マンション地区で開かれていた「カラオケ大会」に案内し、さらには自宅に招きいれてくれたことに尽きる。韓国経験の多いPJもその厚遇に驚いた。「日常の時点での交流」を言うは容易い。だが実践は難しい。 しかしこの小さな演出こそ、日韓親善の基なのだ。

 夫人が出された黄色で小ぶりの「ハミウリ」は子どもの頃を思い出す味。韓国にありながら、何故か懐かしさがこみ上げてきたものだった。【つづく】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資【 茨城県 】
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