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マンション解体、住民の意向集約難航か=藤沢

2006年06月09日09時39分 / 提供:PJ

pj
マンション解体、住民の意向集約難航か=藤沢
室内設備の取り外し作業が続いている耐震強度偽装マンション「グランドステージ藤沢」。東側の出入り口。(撮影:成越秀峰)
マンション販売会社「ヒューザー」と姉歯秀次元建築士による耐震強度偽装マンションのうち、神奈川県藤沢市にある「グランドステージ藤沢」の解体作業は、ようやく本格工事に向けた準備作業が始まったが、このマンションを購入した被害住民にとって、建物の取り壊しは「安住の日々」をつかみ取るまでの長い道のりの初めの一歩に過ぎない。解体後のマンション再建に向けては、被害住民の意向集約の難航が予想されているからだ。

 「グランドステージ藤沢」は、去年9月に完成した地下1階・地上10階建のマンションだ。一連の耐震強度偽装マンションの事件が表面化する前に、17世帯が購入契約を結び、順次入居することになっていた。しかし、事件の発覚に伴う行政側の調査の結果、この建物の耐震強度は基準の約15%しかないことがわかり、今年3月、藤沢市はマンションの4階から10階までの7フロア分を取り壊すことを命じた。

 命令を受けたのはマンションの各部屋の所有者、つまり被害住民である。理屈の上では、各部屋の所有権は「ヒューザー」ではなく、購入者に移っているのだから、行政命令としては当然の対応と言える。しかし、その解体工事や新しいマンションの再建にかかる費用負担をどうするのか。住民たちは、「ヒューザー」の小嶋進社長や姉歯元建築士ら関係者の刑事裁判の行方をにらみながら補償交渉を進めることを余儀なくされている。

 都市再生機構によると、行政側としても、被害住民に対し立て替えに向けた費用負担案を示しているというが、案では、1世帯あたりの追加負担が2000万円を超えると試算されている。そこで問題になってくるのが、被害住民の経済力の違いである。被害住民の年収や世代は世帯ごとに異なり、そもそもマンションを購入した動機や家族構成も違う。

 今後、住民が一枚岩となって金銭交渉を進めるには困難な要素と見られている。また、解体後に新築するマンションの設計や部屋割りの希望も、将来の補償額によっては変更せざるを得なくなるかもしれない。刑事裁判の被告たちが事件の直接的な責任を負うのは当たり前のことだが、違法な設計を見抜けず、建築確認申請を認めてしまった行政側もまた、被害者17世帯の経済力の格差や意向の違いを埋める責任を負っていると言わねばならない。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 成越 秀峰

関連ワード:
耐震偽装  マンション  姉歯秀次  神奈川県  小嶋進  
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