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【書評】『現代たばこ戦争』、伊佐山芳郎著

【PJ 2006年06月08日】− 5月11日、大人の嗜好品に大きな波が押し寄せた。タバコ税の引き上げで、JTの紙巻タバコと刻みタバコの合計116種類の値上げが、7月1日から開始されることになったからだ。スコットランドでは今年の3月26日から公共の場での全面禁煙が決定、来年からヨーロッパを中心に禁煙法が広がっていく気配である。

 日本では市区町村単位で、路上禁煙条例が施行されているが、その条例のあるなしにかかわらず、路上を見ればまだまだ吸い殻がたくさん落ちている。しかも、吸い殻ポイ捨ての科料は2000円ほどで、罪の意識も生まれないのかもしれない。イギリスでは約1万円の罰金が科せられるそうだ。

 さて、この著書は99年に出版されたもので、中にある情報こそすこし古びてしまったが、現在の日本でまだまだ主張されるべきことが書かれている。はんらんするたばこの自動販売機問題、たばこ広告の問題、たばこのパッケージにある健康に関する表記問題。どれをとってもうなずける。

 たばこの害毒への不正確な知識、若年化する喫煙者層、喫煙者数の増加。タバコに関する深刻な問題を著者は一つ一つ取り上げる。また、日本のタバコ価格にも疑問を呈する。今回の税引き上げでも、諸外国のタバコの値段と比べれば、まだまだ安い。たとえばマルボロ一箱の値段を見てもイギリスで673円、オーストラリアで596円(1988年時点)と相当高価だという。タバコの値段が高くなれば、未成年の喫煙は減少することも考えられる。
 
 「全面禁煙」の波が日本に届く前に、禁煙の波に乗ってみるのはどうだろうか。【了】

■関連情報
ライブドア・ブックス:伊佐山芳郎著『現代たばこ戦争』岩波新書
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 後藤 雪【 東京都 】
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