突然ですが、あなたはパスタを食べる時にスプーンを使う派? 使わない派? 実はコレ、一見大した問題ではなさそうなんですが、さまざまなところで長い間、密かに物議をかもしている問題なんです。確かに、使っていいものなのか、それとも使わないのが正しいのか、大変迷うところ・・・。この際、はっきりさせようじゃないですかっ!

 そもそも、パスタの本場イタリアでは、レストランでパスタを注文しても、フォークしか出てこないのが当たり前。たまに、旅行者などが「スプーンください」などと言うと、かなり怪訝な顔をされる。これは、イタリアではフォークを上手に使えない子供たちがフォークとスプーンでパスタを食べる習慣があるため。要は、「ちゃんとフォークを使える大人がスプーン使ってパスタを食べるもんじゃない!」というのが本場イタリアの考え方のようです。

 一方、フランスでは、一般的にスプーンを使うことが多いのだとか。洋服にパスタのソースが飛ばないように、という理由で使うようになったらしく、理由もちょっとお上品。また、アメリカでスプーンが使われているのも有名な話。そもそも、パスタを食べるのにスプーンを持ち出したのはアメリカ人だというのが、有力な説にもなっているほど。やっぱり、アメリカ人はフォーク使いが苦手だからだろうか?

 そして、我が国、日本では・・・? 

 一般的に多くのレストランでスプーンが出てくる。出てこない場合でも「スプーンください」とひとこと言えば、嫌な顔もせず持ってきてくれます。しかし、中にはこだわりを持ってスプーンを出さないレストランもあります。千葉県にあるイタリアンレストラン「セッテ・ベッロ」では、シェフのこだわりでスプーンは出していないそう。「イタリアでは出さないのが普通だから」というのが、その理由。ただ、スプーンを出してほしいと言われれば、ちゃんと出してもらえます。

 で、結局マナーとしてどっちが正しいの? 六本木でテーブルマナーの教室を開く先生に聞いたところ、「ウチでは、スプーンを使う場合と使わない場合の両方の食べ方を指導しています。お店によって出てきたり、出てこなかったりするでしょ? 正しいとか正しくないとかいうことはなく、いかに美しく食べるかということが重要なんです」とのこと。

 なるほどぉ〜、フォーク1本で自信がないなら、無理をせずにスプーンを使ったほうが良いということですね。

 ということで結論としては、正式なマナーは決まっていないということ。あなたにとって「パスタをキレイに美味しく食べられる方法」を選べば問題ナシです。(石橋夏江/verb)