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【書評】「エルメス」戸矢理衣奈著、新潮社

【PJ 2006年06月06日】− 街を歩けば3人に1人は、ルイ・ヴィトンを身に着けている姿に出くわすのではないだろうか。シャネルやグッチも財布やポーチ、定番のバックぐらいなら普通の大学生でも持っている。数あるブランドでも、エルメスだけは別格だ。伝統と職人の技術を大切にしたエルメスの品質は文句なしに最高級。そして、値段はヴィトンやグッチの数倍と最上級。それほど高額なエルメスでも、ケリーやバーキンなどの定番バックは、数年間の予約待ちというほど人気を博している。けれども、意外にもエルメスの広告の経費はシャネルの1割程度にしか満たないそうだ。これほどの人気を保ち続けることができるエルメスの魅力に、著者は様々な角度から迫っている。

 エルメスが年2回発行しているカタログの内容や女性雑誌に載せられたデザイナーや会社社長らのコメント、そして他のブランドとの比較などを基に、著者はエルメスの魅力を解剖していく。しかし、エルメスのエスプリがあまりに難解。ベールに包まれた独特のエルメスのブランド展開を理解するには、読者は多少なりともファッションや芸術の知識が必要だ。

 もともと、フランス皇帝御用達の高級馬具工房からエルメスの歴史は始まる。徹底的にこだわった商品開発はライセンス生産を許さない。エルメスの公式サイトには、「エルメス製品は、エルメス販売店、エルメス公認の再販店、またはエルメス公式サイトにて販売されます。このいずれかでお買い求めいただいた場合に限り、商品の正真性と品質が保証されます」とある。このことからも、そのブランドへのこだわりが伺える。また、「それ以外の店舗でお買い求めいただいた場合は、偽物あるいは品質に問題のある商品である可能性があります」と断っている。

 著者は他のブランドに見られないこだわりが「最強ブランド」エルメスの勝因と言いたいらしい。しかし、勝因うんぬんはいかにせよ、この著書に肝心のエルメス本社の見解が記されていないことが残念だった。それこそ、この著書の内容が、エルメスからの正真性と品質が保障されていない感じがしてしまった。【了】

■関連情報
ライブドア・ブックス:戸矢理衣奈著「エルメス」、新潮社
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 安田 モモコ【 東京都 】
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