会場風景
 ゴールデンウィーク後半の5月5日。吉祥寺で開催されたLANゲームパーティ「NIGHT LAN」会場を訪れたた。NIGHT LANの開催は5月4日18時から5日18時までの24時間で、私もパソコンを持ち込みたかったけれど今回は用事があって断念。会場に入った時刻は終盤の15時過ぎだった。スタートから20時間が過ぎており、参加者もかなり疲れているだろうと予想したけれど、かなり元気な様子で、それぞれ好きなゲームに没頭していた。たくさんの楽しそうな姿と空席の少なさに安心した。第一回としては大成功だと思う。

 今回のNIGHT LANが成功するか否かは、日本のEスポーツにとって重要な意味を持っていた。なぜなら、このNIGHT LANの主催者は企業ではなく、有志のグループだったからだ。企業が開催したり、企業がスポンサーとなっているイベントなら注目度も高い。しかし、個人や有志が日頃付き合っている仲間以上の人数を集めることはとても難しい。企業なら会場の手配も簡単だけれど、個人では交渉すらできないことが多い。大人数のLANゲームパーティなら、電力配分やネットワーク周りなどの技術的な知識も必要だ。

 こうした問題をクリアして、誰もがLANゲームパーティを主催し成功できるようにならないと、日本全国にLANゲームパーティは根付かない。LANゲームパーティのようにライブで対戦ゲームを楽しむ文化が定着しないとEスポーツは始まらない。アメリカではインターネットが普及する以前からLANゲームパーティが流行しており、PCゲーム雑誌の読者コーナーにはLANゲームパーティを告知する投書がびっしり並んでいた。LANゲームパーティを開催するためのマニュアル本も発売されている。そこには技術的な問題だけではなく、参加者同士のトラブルへの対処法などメンタルな部分まで指南されている。これらの環境のおかげでLANゲームパーティが盛んになり、Eスポーツが形成された。LANゲームパーティはEスポーツの母なる存在なのだ。

 その意味でNIGHT LAN は示唆に富んだイベントだった。会場はクロス吉祥寺スペースファンというレンタルスペースで、普段はライブやコスプレイヤーの撮影会などに利用されている場所だ。立ち客で300人が収容できる広さ。ここにテーブルと椅子を置くと、50人規模のLANゲームパーティにちょうど良かった。3階建の2階にあり、1階と3階はコスプレイヤー店員の飲食店で、コスプレファンにとっては有名な場所のようだ。

 ライブハウスでLANゲームパーティを開催したことは、今後LANパーティを開催したい人にとって参考になるに違いない。私も今回の会場を見て、LANゲームパーティとライブハウスの相性のよさに感心した。大容量のアンプや照明などをたくさん使うライブハウスは電源も充分である。防音設備が整っているから騒いでも近所から怒られない。受付用のスペースや机も用意されている。室内にはステージがあり、公式対戦やゲームの講習会、トークイベントなどができる。そしてなによりも大事なことは、たくさんの音楽ファンやアマチュアバンドのおかげで、ライブハウスは全国の都市に存在しており、企業ではないグループでも借りられる、ということだ。今後は音楽とLANゲームパーティのコラボレーションも可能かもしれない。

 私はLANゲームパーティの会場として、パソコンが集まること、テーブルが必要だということから、貸し会議室が最適だと思っていた。ビジネス用の施設ならインターネット設備もある。一方、ライブハウスにとってインターネット回線は必ずしも必要としない。ところがクロス吉祥寺はインターネット設備を持っている。ブロードバンド普及率から考えても、インターネット設備をもつところは少なくないだろう。