18日、最後の会見を行った日本経団連の奥田会長。(撮影:徳永裕介)

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日本経団連の奥田碩会長は18日、会長として最後となる定例記者会見を行った。事実上、経済の第一線から退くことになる奥田会長は、日本社会に伝えたいメッセージとして、「日々努力すことの大切さ」を訴えた。

 奥田会長は「格差社会といわれるが、あまり格差格差と言わず、努力することが大切。このことを日本人は忘れてはならない」と強調。弱者救済のためのセーフティーネットの必要性に理解を示しつつも、「勝ち組・負け組というのは、お金のことしか考えていないからだ。心の格差も含めて考えないといけない。毎日ステーキを食べていても不幸な人はいるし、お金がなくても新婚時代は幸せだ」と語った。

 また、在任4年間を振り返って「就任した時は経済の社会も沈滞していた。その後、経済は回復の軌道に乗り、いい時期に会長になった」と回顧。任期の終盤に企業不祥事が続発したことについては「社会がどんどん変わってく中で、日本の法制度などが対応していないひずみが出ている。簡単に直るとは思っていない」と述べた。

 そのほか、2004年には企業献金を再開したが、「社会貢献の一環として必要なことであって、責められる問題ではない。最終的には個人献金で賄えるようになればいいと考えている」と、当面は続けられるべきとの考えを明らかにした。

 御手洗新体制へは「ソフトや先端技術産業を視野に、仕事をしていってほしい」とエールを送り、任期を終える安堵感ものぞかせた。【了】

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