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『ずっとつながってるよ』は、本当につながるのか。

【PJ 2006年05月14日】− 5月12日、読み聞かせの形態ごとに許諾の要・不要を規定したガイドラインを、日本児童出版美術家連盟、日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会、日本書籍出版協会児童書部会の4団体が公表した。「著作権」の内容を、絵本、児童書の「読み聞かせ」の現場に即して解説した内容だ。

 しかし、本当に児童文学者は、「読み聞かせ」が自分たちの「著作権」を侵害すると考えているのだろうか。古い話だが2000年暮れに東京都世田谷区の自宅で、宮澤みきおさん一家4人が殺害された。亡くなった奥様のお姉さんで、入江杏さんというかたがいらっしゃる。その方が、一家のぬいぐるみ「こぐまのミシュカ」を主人公に描いた絵本『ずっとつながってるよ』を、こどもの日の5日に、くもん出版から出版した。

 しばらくは犯人がまだ逮捕されていない恐怖から、事件のことを周囲に伏せてきた。それがむしろ社会の中へ、と意識を転換されてのこと。『つながってるよ』で、作者自身が社会との「つながり」を回復しようとしたのだった。

 覚えておいでだろうか。亡くなった奥様は公文式教室を開いていた。その公文に『ずっとつながってるよ』の話が伝わり、くもん出版が「子どもたちに命の大切さを伝えたい」と、この絵本の出版を決めたのだった。絵本は、全国の読み聞かせの現場で、たくさんのプロ、アマの人々の、手で声で、子供達に伝えられることになるのだろう。

 その読み聞かせの現場で、自分なりの感動をうまく子供達に伝えたい、とすこしデフォルメした表現をしたとしよう。また紙芝居にした、パネルシアターにしたとする。これは「著作権」に反します。と、日本児童文芸家協会、日本書籍出版協会など4団体のガイドラインはいう。

 ありがとうございました、と読み聞かせをした人に報酬・謝金を支払うと、「著作権」に反します。と、そのガイドラインはいう。確かに「著作権」の内容を、絵本などの「読み聞かせ」の現場に徹底するという趣旨だが、何かが違う気も同時にしてくる。

 つまり、これでは『ずっとつながってるよ』の思いは少しも「つながり」やすくならない。コンテンツは「流通してなんぼ」。一方、本は「売れてなんぼ」。この二つの橋渡しに、本当に「著作権」は適切な手段なんだろうか。本当に、児童文学者は「読み聞かせ」が自分たちの「著作権」を侵害すると考えているのだろうか。これでは「(物)語り」が死ぬ。【了】

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ずっとつながってるよ
『ずっとつながってるよ こぐまのミシュカのおはなし』著者のメッセージ

『金融リテラシー』:PJ活動のベースとなるクリッピング作業を公開、またメルマガも配信しています。
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 神宮司信也【 東京都 】
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