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尼崎脱線事故に思う責任感

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【PJ 2006年04月27日】− 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故から1年経ったが、いまだに遺族たちは肉親を失ったという現実を受け入れ難く苦しんでいる。徹底した原因究明と抜本的な改善計画を示せないJR西日本の経営陣、そして事故は経営者の責任だと言わんばかりの労働組合の態度を見て、怒りを覚える人は少なくないだろう。

 事故を起こした第一原因は、制限速度75キロのところ45キロ超過のメチャクチャ運転を行った高見運転士にあることは明確だ。日勤教育によるプレッシャーや過密ダイヤは遠因であって主因ではない。多くの運転士たちは緊張感を持って真面目に操縦し、事故もミスも起こしていない。何度もミスを犯し、事故当日にも2度も停車位置をオーバーした高見運転士は完全な不適格者だ。上司はそのことに気付きながら、日勤教育というおざなりな懲罰でお茶をにごし、自分の責任を果たしたようなふりをしていた。

 数千人の人命を預かる運転士という職分は、JR西日本にとって最重要なポジションである筈だ。不適格者は直ちに運転士から外す人事異動を行うのが、会社としての責任ではないか。ところがそんなことでもしようものなら、「人権侵害だ!」と怒鳴り込むのが、JR西日本の労働組合なのだ。事故を踏まえて作成した改善計画についても、経営側は労働組合の同意を取り付けて、やっと実行という段取りになる。こんなことだから抜本的な改善は勿論、査問委員会を開いて、明確な原因究明を行うことなど全く出来ない。経営者たちは常に現場を覗き、社員に声をかけて問題点がないか観察するのが当然なのに、組合におびえて姿を現さないのはどういうことだろうか。

 そして口裏を合わせたように、日勤教育・ATS・過密ダイヤを主因と決め付けるマスコミの態度にも驚く。JR西日本の体質は変わっていないという社員の感想を報道するだけでなく、「こういう風に改革しなければだめだ」という社員や外部関係者の意見を何故ぶつけることが出来ないのか。

 事故現場付近の住人(男性60歳)に聞くと、列車が衝突したマンションの土地は廃材品を置くような空き地で、昔は二桁の飛び込み自殺者を出していた名所であったそうだ。大きなカーブを描くこの危険な場所にマンションを建設した業者には、入居者の安全や住環境について配慮する意思があったのであろうか。

 自分のためにだけ努力し他人の事には無関心な人間が幅を利かす、この日本社会はあまりにも危険過ぎないか、改めて問いたい。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 田隆【 大阪府 】
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