今週のお役立ち情報
翻訳ソフトの高度化か、英語教育の革新か
【PJ 2006年04月24日】−
小学校五年生からの英語必修化をめぐって、中央教育審議会の教育過程部会で議論が続いている。日本人の英語べたはよく知られているが、英語の必要性がま すます高まっている時代に、教育時期を早めるだけで問題が解決するだろうか。
二十有余年ほど前、私は大学英文科の学生だった。英語でも学んでおけば英語教師ができて食べてゆけるのではないかという安易な気持ちから英文科に入学し た。入学後、社会に広く関心を向けると、このときパーソナルコンピューターの黎明期であることを知った。そして、コンピューター技術の現状などをみると、これから十年後、二十年後には、優秀な翻訳ソフトが開発され、個々人が語学を習得する必要などなくなるように予測された。そのため、英語教師は将来的に需 要がなくなり、仮に私が英語教師として就職ができても早晩失業・転職の憂き目にあう恐れがあると思われた。
そのため英語教師になる意欲をすっかり失い、英語とは関係のない分野で生きて現在に至る。では、コンピューターテクノロジーはいまどうなったかといえば、 インターネットの発達によって海外サイトにも簡単にアクセスでき大量の英語情報が手に入るようになるなど、その発展は目覚しい。ところが翻訳ソフトは予測どおり開発され一般でも安価に利用できるようになったものの、おもちゃのような機能しかなく、実用にはほとんど耐え得ないというのが実情だ。語学の必要がなくなるどころか、ますます個人が英語力を磨く要が生じてきている。
ところが英語教育のほうはどうかといえば、これが相変わらず高校入試、大学入試などの学校試験で高点数をあげるためだけの教育法が続いていて、ビジネス などに役立つ英語は学校では習得できないといってよいだろう。そのことに気がついた学生が、では実用に耐える英語を独力で身につけようと思っても、そのための効率的なメソッドがほとんど開発されていないことも指摘される。
英語学習者の間では、国弘正雄の音読法、七田真の速聴法など独特の英語習得のメソッドが著名だ。前者は、易しい英文をお経のように繰り返し音読することによって、英語力を習得しようというものである。後者は、二倍速、四倍速などで英語音声を聴くことで、それをおこなおうという。だがこれらのメソッドは新興宗教のようなもので、効果が出たというものもいるにはいるようだが、全国的なブームになるほどではないから、万人に適用できるものではなさそうだ。
今後のコンピューター技術の発展によっては、翻訳ソフトも飛躍的な進歩を遂げ、それだけでなく夢の通訳機まで開発されるかもしれない。また、優れた英語教育学者が現れて、国弘正雄や七田真を超える画期的な英語教育メソッドを提唱することになるかもしれない。日本人が英語にうといことで情報力に遅れをとっ ている現状を改善するためには、そのどちらかに期待するしか活路がないように思われる。
小学校で英語教育を取り入れたとしても、ほんとうに実用に耐える語学力を身につけることができるのは才能に秀でたものたちだけで、大半は英語のおちこぼ れを作るだけに終わるのではないか。そして身につかない英語の学習に費やしたために、ほかの学習、たとえば知性の基礎となる国語力の習得の時間が蚕食され るとするなら、英語教育の早期化は惨憺たる禍根を残すだけになるのではないか。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 【 】
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二十有余年ほど前、私は大学英文科の学生だった。英語でも学んでおけば英語教師ができて食べてゆけるのではないかという安易な気持ちから英文科に入学し た。入学後、社会に広く関心を向けると、このときパーソナルコンピューターの黎明期であることを知った。そして、コンピューター技術の現状などをみると、これから十年後、二十年後には、優秀な翻訳ソフトが開発され、個々人が語学を習得する必要などなくなるように予測された。そのため、英語教師は将来的に需 要がなくなり、仮に私が英語教師として就職ができても早晩失業・転職の憂き目にあう恐れがあると思われた。
そのため英語教師になる意欲をすっかり失い、英語とは関係のない分野で生きて現在に至る。では、コンピューターテクノロジーはいまどうなったかといえば、 インターネットの発達によって海外サイトにも簡単にアクセスでき大量の英語情報が手に入るようになるなど、その発展は目覚しい。ところが翻訳ソフトは予測どおり開発され一般でも安価に利用できるようになったものの、おもちゃのような機能しかなく、実用にはほとんど耐え得ないというのが実情だ。語学の必要がなくなるどころか、ますます個人が英語力を磨く要が生じてきている。
ところが英語教育のほうはどうかといえば、これが相変わらず高校入試、大学入試などの学校試験で高点数をあげるためだけの教育法が続いていて、ビジネス などに役立つ英語は学校では習得できないといってよいだろう。そのことに気がついた学生が、では実用に耐える英語を独力で身につけようと思っても、そのための効率的なメソッドがほとんど開発されていないことも指摘される。
英語学習者の間では、国弘正雄の音読法、七田真の速聴法など独特の英語習得のメソッドが著名だ。前者は、易しい英文をお経のように繰り返し音読することによって、英語力を習得しようというものである。後者は、二倍速、四倍速などで英語音声を聴くことで、それをおこなおうという。だがこれらのメソッドは新興宗教のようなもので、効果が出たというものもいるにはいるようだが、全国的なブームになるほどではないから、万人に適用できるものではなさそうだ。
今後のコンピューター技術の発展によっては、翻訳ソフトも飛躍的な進歩を遂げ、それだけでなく夢の通訳機まで開発されるかもしれない。また、優れた英語教育学者が現れて、国弘正雄や七田真を超える画期的な英語教育メソッドを提唱することになるかもしれない。日本人が英語にうといことで情報力に遅れをとっ ている現状を改善するためには、そのどちらかに期待するしか活路がないように思われる。
小学校で英語教育を取り入れたとしても、ほんとうに実用に耐える語学力を身につけることができるのは才能に秀でたものたちだけで、大半は英語のおちこぼ れを作るだけに終わるのではないか。そして身につかない英語の学習に費やしたために、ほかの学習、たとえば知性の基礎となる国語力の習得の時間が蚕食され るとするなら、英語教育の早期化は惨憺たる禍根を残すだけになるのではないか。【了】
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