IT研究者になるためのゲーム「ハッピー・アカデミック・ライフ2006」。(撮影:東雲吾衣)

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国立情報学研究所などの共同チームは20日、東京都千代田区の国立情報学研究所でIT研究者になるためのキャリアデザインを学ぶゲーム「ハッピー・アカデミック・ライフ2006」を発表した。参加者は“助手”から始まり「人脈ポイント」や「資金力」などをかせぎながら自らが設定した“将来像”を目指す。

 ゲームは、少子化にともなう大学の研究者ポストの減少などで、研究者自身がキャリアデザインを行う必要性の高まりを背景に開発された。研究者のための人生を体験できるゲームは日本では初めてで、3人から5人で遊びながら「研究キャリア全体の把握」や「人脈や資金の理解と管理」などの知識を獲得できる。

 開発者の一人である中央大学の庄司裕子助教授は、「大学でも、一般学生のキャリア教育は注目されているが、研究者のキャリアデザインは重要視されていない」と現状を述べた。また、ゲームの効用については「論文投稿のシステムすら知らない学生でもゲームをすることで研究者のキャリアデザインを理解できる」と話した。

 ゲームは人工知能学会誌(5月1日号)の付録として会員に配布される。一般への販売の予定はないという。【了】