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防犯カメラは弱点だらけ?犯罪防止は人の目で!(上)

2006年04月14日06時12分 / 提供:PJ

pj
川崎市で起きた小学生3年生をマンションから転落させて殺害する凶悪事件が、世間の関心を集めた。事件後、警察は防犯カメラに写っていた犯人らしき人物を公開した。逃げ切れない、いずれ捕まると観念した男性が警察に出頭し、事件がスピード解決した。

 この報道だけみると、防犯カメラが犯罪捜査に威力を発揮しているように思える。凶悪事件が早期解決したことから、『防犯カメラの活用こそ、犯罪解決の有効手段だ』と論評するひとが多い。防犯カメラは実際に威力があるのだろうか。

 防犯システムはどこでも非公開で極秘事項だ。PJは防犯システムの欠陥や盲点を知りえるひとり。それを公表することは犯罪者に有利な情報を提供することになる。社会悪をのさばらせる結果となれば、ジャーナリスト精神から外れる。ただ、防犯カメラが人命を守ると盲信し、世相がそちらに傾倒することは危険だ。犯罪防止はレンズの目だけではできない。人間の目による防御と、地域社会の連帯が最も重要なことなのだ。

 全国各地のデパート、量販店、書店、ドラッグストアなどは万引き(窃盗犯)抑止から、店内に防犯カメラを設置し、監視する体制をとる。しかし、現場からは、防犯カメラは役立たずだ、窃盗犯の捕捉(ほそく)には結びつかないという声がある。防犯カメラを中核にすえたシステムは高額の割には、効果が上がらない。犯罪抑止の心理的プレッシャーも強くない、と失望する経営者が多いのが実態だ。

 「犯人らしい人物が映っているテープを、警察に渡しても、捕まったとは一度も聞いていません」と、都内のある大手スーパーの店舗責任者から聞いたことがある。警察の捜査能力の問題だけではないようだ。防犯カメラの主流がいまだにアナログ映像で、録画の映像が不鮮明で、証拠能力が弱いことが起因しているようだ。
  
 郵便局や銀行で刃物を振り回す、公開された犯人の映像などで見てわかるように、年齢とか、顔の特徴とか、服装とか、持ち物とかの細部はわからない。不鮮明な映像では物的証拠となりにくい。それをもって逮捕状の請求となると、かなり難しい。捜査関係者にすれば、提出されたビデオは参考資料程度になってしまうようだ。

 神社仏閣の賽銭のなかに一万円札の偽札が使われ、世間を騒がせたことがある。その時期に、都内・豊島区の大手スーパーがニセ一万円札事件に遭遇したことがある。レジ担当の40代のI子さんや店舗管理職から、PJは全容を聞くことができた。I子さんは中年男性客から渡された一万円札が、妙に手ざわりが悪かったことから、偽札だと見破ったのだ。使用したタクシー運転手を呼び止め、警察に引き渡した。

 所轄の刑事課がレジ付近の防犯カメラの映像を検証したところ、金銭授受された紙幣の鮮明度が悪く、一万円か、五千円か、千円か、種類までは特定できなかった。警察はビデオテープが証拠物件とならないと判断したようだ。このように防犯カメラの映像能力はいちじるしく低く、犯罪証明には役立ちにくいのが実態だ。運転手は客から受け取った紙幣が偽物だと知らずに使ったことから、逮捕に及ばなかった。

 最近はドラッグ売り場などで、一度に数十万円も盗まれる、組織的なプロ犯罪集団に狙われることがある。高額の被害が発生すると、店舗責任者はまず防犯カメラの録画を再生してみる。ところが、再生するには時間がかかりすぎる。これが弱点の一つになっている。

 防犯カメラが映した映像はディスク装置に動画のように『二秒に一コマ、一秒に一コマ』の間隔で保管されている。再生となると、6時間見るためには最低2時間が必要。「どうせ警察に持ち込んでも、犯人はつかまらない」と、録画の再生すら億劫になってしまうのだ。最近はデジタル化で、かなり再生速度が早くなり、最速のものでは十二分の一に短縮されている。画像もよくなったが、TV録画のような鮮明な映像にはまだ及ばない。【つづく】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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