ネクソンジャパンが投入した話題作「ZerA」
 今週は新年のスタートに相応しく、新規MMORPGのリリース発表が大量にあった。ゲームオンとベクターは、比較的低スペックのPCでも動く2DのMMORPG「PI STORY」「Ars Magna」のサービスを発表。ロックワークスは「十二之天」に関する契約を締結。ネクソンは韓国でサービスしている「ZerA」を日本へと投入してきた。新規MMORPGとはいっても、純粋な新作は「ZerA」「PI STORY」の2本で、「十二之天」「Ars Magna」は海外では比較的歴史の長いタイトルである辺りが好対照である。

 昨年は新作MMORPGが相次いでサービスをスタートしたが、特に韓国では期待ほどの成果を上げられずにいる状況が続いている。ここから考えると、日本と本国、両国プレイヤーの消費速度に負けないようにコンテンツを作っていかなければならない新作よりも、既にコンテンツが揃っている準新作の可能性が見えてくる。

 もちろん「準」新作であるため、グラフィックなど見た目は最新タイトルには負けるのだが、用意されている「遊び」の量は多い(その点では長い歴史を持ちながらグラフィックエンジンの刷新で今風の見た目を手に入れた「十二之天」の手法が面白い)。バランスが確立されたタイトルであれば日本に輸入する際に妙なことをしない限り、破綻の可能性も低い。

 当たれば爆発的なヒットを狙える新作と、運営さえ間違えなければ手堅く安定したゲームを提供できる準新作。MMORPG=ハイリスク&ハイリターンという構図は既に崩れ、運営サイドにも選択の自由が生まれている。2006年の新作ラッシュの反動から、2007年は準新作が注目されるのではないだろうか。しかしながら、選択するのはプレイヤーである。なかなか方向性が見えにくいといわれる日本プレイヤーだが、新作と準新作のどちらに軍配を上げるかで、日本プレイヤーが求めているものがかいま見えるだろう。

 新規タイトルの話題とは裏腹に、残念な発表もあった。「テイルズ オブ エターニア オンライン(TOEO)」は2007年3月31日(土)にサービスを終了することとなった。「テイルズ〜」シリーズは現在のバンダイナムコゲームスの「ドル箱」シリーズである。数字的にいえば鉄板であったはずの「TOEO」だが、なぜ短命に終わったのだろうか。まずは月額+アイテム課金という敷居の高さが挙げられるだろう。「テイルズ」ファンの大半はティーン層であり、彼らにとって月額課金はリーズナブルとは言い難い。さらに、2006年は新作、移植合わせて4タイトルの「テイルズ」が発売されたが、「テイルズ」ラッシュは2006年に限ったことではなく、ここしばらくの潮流でもある。つまり主力であるティーン層は、PS2、PSP、NDS、GBAと様々なハードで発売される「テイルズ」シリーズを追いかけ続けなければならない状態にあったわけだ。加えて2006年は、PSPかNDSという携帯ハードを選択する年でもあった。ハードとソフトを合わせるとNDSは2万円、PSPは3万円程度の出費となり、どちらも安い金額ではない。家庭用機がメインの「テイルズ」ファン層は、PCへの支出よりもこちらを優先しただろうと考えられる。ここで見えてくるのが「ドル箱」タイトルに頼ることの危険性である。「ドル箱」は売れている・受けているから「ドル箱」なのだが、ユーザの購買力も無限ではない。これはオンラインゲーム界にとっても対岸の火事ではなく、多くの事業者が肝に銘じておくべき事例なのではないだろうか。

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