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司法制度改革−弁護士はこれからもエリートたり得るか

2006年04月09日08時05分 / 提供:PJ

pj
つい先日、法科大学院の第1期卒業生が決まった。ほとんどが卒業することが可能で、半数が法曹(弁護士、検事、裁判官)になれるという。中退した者もかなりの割合が自力で司法試験に合格するという、まずまずの成果だという。

 ところが、法科大学院設置の考慮段階では卒業生のほとんどが司法試験に合格のはずであったので大幅な後退ということになる。また、学費は年間100万円をゆうに超えるのが普通であり、決して安価ではない。所期の目的をすべて達成したとは言いがたいようだ。

 しかし、これで優秀な法曹関係者が増えればそれはそれで構わないのである。これの出来た趣旨、というのは司法試験は難関で時間がかかりすぎ、無駄が多すぎるということであった。旧司法試験では受験期間が10年以上もざらであり、制度的欠陥が指摘されていた。

 ところが、司法試験に合格した後は司法修習所に入所して給料がもらえる身分になり、卒業後は弁護士や検事になって法律家として国民の利便に資すると共に、自己にも大きな経済的見返りが保障されたのである。普通には裕福だと思われる職業である。

 だが、新司法試験では、法科大学院はまず完全に自弁である。ここからまず損している。決して安くもない学費は自分で工面する必要がある。貧乏人はここで諦め、ということだ。奨学金があるとは言え金銭的には苦労する。旧制度でも専門学校は必須に近いのだが高額には変わりが無い。

 さらには弁護士になった後、絶対数が少ないので、仕事が来ないということは容易に回避できた。しかし、新司法試験になり、増員されれば、競争過多になって客がいないという事態も考えられる。優秀であり常に「行列が出来る」状態であれば問題がないが、自営業の身、それもまた大変でもある。

 さらには、以前のように尊敬に値する職業であり続けられるか、も問題だ。現在では希少価値がふんだんにあるが、希少価値のなくなるとどうなるか。少なくとも国家は新司法試験の合格者には以前のような礼遇を与えないようである。司法修習の期間の短縮と報酬の減額は議論され始めていることである。

 だがこれは法曹関係者の努力と出した結果を見て社会全体が決めることになるだろう。新司法試験の合格者も以前と全く変わらない能力で社会に奉仕していただきたいものである。【了】


※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 高橋 登

関連ワード:
法科大学院  弁護士  司法試験  受験  職業  
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