UNハウスで開催中の「人身取引と世界的な移動展」で展示されている、人身売買の実態やその防止のための啓発ポスター(撮影:佐谷恭)

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人身売買の実態やその防止のための啓発ポスターなどを紹介する「人身取引と世界的な移動展」(国際移住機関=IOMなど主催)が、東京都渋谷区のUNハウス(国連大学本部)で開かれている。5月10日まで。

 同展では、IOMが人身売買被害者の出身国で行った啓発キャンペーンのポスター約30点と、パキスタンやインドネシア・アチェなど同機関が実施した災害支援活動の写真などが展示されている。ポスターには「自分を売らないで」「気をつけて、騙されないで」などと、売られる側の子どもに注意を促すものが多いが、「あなたもその1人?」と買う側に警告するものもある。また、人身売買が多発する地帯で、若者の意識向上や被害者の社会復帰支援を目的としたTVコマーシャルやビデオなども、上映されている。

 IOMによると、日本を含め世界のほとんどの国が人身売買に関わっている。一般的に、若い女性や子どもが性的搾取の対象になっているというイメージがあり、被害者の80%が女性、50%が子どもと言われるが、臓器摘出や強制労働のために男性が被害者になるケースもあるという。

 IOMは、人身売買の実態や国際的な犯罪ネットワークの存在について、同展で少しでも理解を深めてもらいたいとしている。19日には中山暁雄駐日代表が、メコン川流域の人身売買を描いたアニメ「夢のゆくえ」を題材としたワークショップを開く。

 入場無料。開場時間は、午前10時から午後5時半まで。土日と5月3日から5日は休館。【了】

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