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丹沢大山地域再生へ向けて=神奈川

丹沢大山地域再生へ向けて=神奈川
かながわ山里会の活動報告。秦野市西田原の9319平方メートルを管理する。また、同市東田原の自然湧水湿地帯の保全管理、休耕田の耕作にも取り組む。(撮影:為我井太一)
【PJ 2006年04月03日】− 神奈川県自然環境保全センターで1日、丹沢大山ボランティアネットワーク(加盟35団体、協力機関1)2006年度総会、各団体の活動報告と、丹沢大山総合調査・地域再生調査チームの中間報告とが行われた。同調査は2004〜2006年度に県と県民ボランティアとの恊働により実施されているもので、報告は地域再生チームリーダー・糸長浩司 氏(日本大学生物資源科学部教授)による。

活動報告
 総会に続いた「ボランティア団体活動助成事業」の活動報告は以下の通り

1-神奈川県山岳連盟「丹沢表尾根登山道清掃」
2-北丹沢山岳センター「広河原植林活動と登山道の補修」
3-蛭ヶ岳山荘委員会「神の川乗越残骸ゴミ整理事業」
4-みろく山の会「丹沢自然環境保全:水質・土壌・植生調査」
5-かながわ山里会「里山保全管理」
6-四十八瀬川自然村「里山再生・地域資源活用促進事業」

 報告のあった個々の団体については事業が精力的に実施されていることが分かった。しかし活動費、ネットワークとしての連携、情報交換に関してはまだ課題が残っていることが後のディスカッションで指摘された。

調査報告
 丹沢大山全体で荒廃の進む人工林は1万2000ヘクタールに及ぶといい、そのうち業として整備が続けられる見通しがあるのは7.7%に過ぎない。林業従事者の高齢化の進む私有林での状況は特に深刻だ。今までの調査による今後の見通しとして、林道が整備されていて、搬出の容易な地域は木材としての利用を試み、尾根、渓流沿いの地域などに関しては広葉樹林を復元することが検討されているという。

 報告では山岳地域の大気オゾン、ブナの立ち枯れ,鹿の食害、生物多様性の維持、森林表土流出、山麓の農地への鳥獣被害、里山の荒廃、登山によるオーバーユースなど、さまざまな課題が挙げられた。しかし現在の状況は複合的な要因が考えられ、最終的な報告は未だ。総合的な分析は一筋縄では行かないだろう。報告された内容のうち、2点について質問した。

 −上空のオゾン層の破壊が問題になっているが、山岳地域のオゾンについては何が問題なのか。
 「ブナに悪影響を与えることが分かっている」
 
 −生物多様性を保つということの意義は。
 「種の数の問題ではなく、それぞれの役割をもった種が絶滅するようなことがあれば、総体のバランスとしてどんな悪影響があるかわからない。そういった意味で生物の多様性を保つということは重要だ」

 たしかにオオカミが絶滅したことによって鹿が増え過ぎ、生態系のバランスが崩れ、森林の衰退の一因になっていることはまぎれもない事実だ。よく見れば瀕死とも言える丹沢大山地域の自然環境だが、ボランティア団体の地道な努力と、科学的な調査の結果、豊かな自然が再生することは、全く実現不可能なこととは思われなかった。【了】

■関連情報
神奈川県自然環境保全センター
PJ為我井
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 為我井 太一【 神奈川県 】
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