アメリカのアリゾナ州で「PENIS MAN」という名前が至る所に落書きされるという謎の事件が発生し、インターネットの一部で話題となりました。この事件に対して「卑劣なペニスマンを必ず捕まえる」と宣戦布告をしたテンピ市警察の特殊部隊が、フェニックス市在住の男を2020年1月25日に逮捕したと報じられています。逮捕された男は「私はオリジナルではない」と証言しているとのことです。

Tempe Police Will Try to Catch 'Penis Man' Graffiti Artist | Phoenix New Times

https://www.phoenixnewtimes.com/news/penis-man-graffiti-tempe-police-investigation-tagging-spray-paint-11430357

Tempe Police Arrest Man Suspected of 'Penis Man' Graffiti Taggings | Phoenix New Times

https://www.phoenixnewtimes.com/news/penis-man-arrested-by-tempe-police-over-graffiti-taggings-11431581

ペニスマンの落書きは2019年11月頃からテンピ市を中心に目撃されるようになりました。カラースプレーで書き殴ったような「PENIS MAN」という署名はインパクトが強く、各所で見つかったペニスマンの「サイン」はTwitterやInstagramで共有され、話題となりました。

テンピ市にある標識や、廃棄されたタイヤやテレビに落書きされたペニスマンのサイン。



屋根の上のペニスマン



「PENIS MAN」という文字が簡易トイレ1基に1文字ずつ書かれています。



「2019年11月からテンペ市内で『ペニスマン』と落書きして回っている人がいます。今日、コーヒーを飲みに行こうと向かったスターバックスも『ペニス化』されていました。それから、通りを挟んで向かいにある改装中の新しいビルも被害にあっていました。ペニスマンは人気者になりつつあります」



壁に書かれたペニスマンの落書きと記念写真を撮る人も登場。



「バンクシーじゃない、ペニスマンだ」



テンペ市警察のナタリー・バレラ刑事は、ペニスマンの活動範囲がテンペ市内から隣町であるフェニックス市にも進出したことで「本気でペニスマンを逮捕する」と宣言。テンペ市副市長のローレン・クビー氏は「ユーモアを否定するわけではないが、歴史的な建造物が傷つけられるのは残念だ」とコメントしました。



そしてテンペ市警察は、落書きや不法侵入などペニスマンに関する嫌疑24件で、フェニックス在住のダスティン・ショーマー容疑者を逮捕しました。地元メディアのフェニックス・ニュータイムズによれば、ショーマー容疑者の指紋が現場から検出されたほか、ショーマー容疑者が落書きしている様子を撮影した監視カメラ映像も見つかっているとのこと。



ショーマー容疑者は2008年に大麻の不法所持で有罪判決を受けているものの、それ以外は特に前歴はなし。裁判所の記録によると、ショーマー容疑者は逮捕され取り調べを受けた後、足首に逃亡防止用のGPSタグを装着されて釈放されたとのこと。警察はショーマー容疑者の犯行による損害はおよそ8000ドル(約88万円)と算出しています。

ショーマー容疑者は逮捕時の状況について、「重装備に身を包んだ25人のSWAT隊員がフェニックス西部にある私のアパートと車を襲撃し、私の顔にアサルトライフルを突きつけました」と語っています。また、ショーマー容疑者は落書きをしたことは認めたものの、「私はオリジナルのペニスマンではありません。私の仕業ではないペニスマンが何百例も存在しています」と主張し、自分以外にもペニスマンがいると述べました。

なお、ショーマー容疑者は「私は逮捕されて仕事を失いました。テンペ市警察から身を守るにはお金が必要です。逮捕された時にアサルトライフルを突きつけられたことでPTSDになりました」と語り、クラウドファンディングサイトで弁護士を雇うための費用を募っています。その目標額は1万ドル(約110万円)で、記事作成時点で約3000ドル(約33万円)を集めています。