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校長よ、記者会見で謝罪するな。親が悪いと言い切れ!

2006年03月14日08時36分 / 提供:PJ

pj
若年層による世のなかを騒がす凶犯な事件が多発している。最近は一段と低年齢化し、小学生までが加害者になるケースがある。事件の内容をみると、『他人を敬い、尊敬する』という精神の欠落が根底にある、と思われるケースが目立つ。事件発生後は、加害者の親は現れず、校長が記者会見で頭を下げ、「申し訳ありません」と詫びている。最近は大学生がプライベートな事件を起こしても、学長までもが頭を下げている。実に奇妙な光景だが、マスコミは当然のものとして報道している。
 
 TVコメンテーターや知識人なる人物が、事件の背景は社会構造が歪んでいるからだの、学校教育の環境が悪いからだの、子どもには悪影響の商品が世のなかに氾濫しているからだのといい、将来を憂いたり、嘆いたりしてみせる。早いはなし、親の育て方に問題があると一言でいえばすむものを、自分の発言に威厳をつけるため、出演継続を確保するために『小理屈』をつけているだけなのだ。事件にやたら複雑な小理屈をつけるから、読者や視聴者は、青少年の凶悪犯罪は解決不能な難問だと思い込んでしまうのだ。

 凶悪犯罪に走る子どものほとんどは親の養育に問題がある。「本来、親が子どもを教育するもの。生きていくうえで大切な『知恵』を授けるもの。それが親の責任」。国語、算数、理科など諸々の知識教育には手がまわらないから、学校に託す。ここに知識を与える学校教育と、人格をつくる家庭内教育との棲み分けがある。この線引きを理解せず、教育といえば、すべて学校だと思い込む親が実に多い。子どもが非行に走れば、学校が悪いだの、友達が悪いだの、と責任転嫁をしてくるのだ。

 子育ての基本は、「幼い頃は厳しく育て、大きくなれば主体性を尊重する」という点にある。厳しく育てる意味合いとは、多少の不快なことでも、欲望が満たされなくても、『がまんさせる』ことだ。それが結果として、わがまま、身勝手、欲望などを抑制できる精神につながる。日本では幼い子をやみくもに溺愛する。スーパーの売り場で、子どもがねだって泣けば、安易にものを買い与える。電車のなかでわが子が騒いでも、多少の注意をしても本気で叱らない。ほかの乗客は許してくれると親は思い込んでいる。幼児公園で、幼い子どうしが喧嘩したとき、あなたが悪いと、ぴしゃり押さえつけられない。

 ことごとく甘やかした挙げ句の果てに、十代になると子どもの自主性を尊重できず、勉強しろだの、塾に行けだの、帰宅時間を守れだのと、なにかとガミガミ言う。子どもが反発するのは当然だ。中学、高校へと進むほどに親子の間で軋轢(あつれき)が深まり、最悪は親子の殺傷事件にまで及ぶ。

 学業が優秀だった親でも、子育てが優秀だとはかぎらない。世のなかが高学歴化になるほど、地位ある人間でも対等に渡り合える、という自意識が強まる。学校への抗議が増えた現象もそのひとつ。子どもが小学校から泣いて帰ってくれば、親は真の原因をさぐらず、子ども自身に解決の道を与えず、親みずからが学校に乗りだす。泣かせたほうが悪い、いじめたほうが悪い、学校の管理責任だと追及する。担当教諭が事情を説明すれば、話にならないといい、「校長を出せ」となる。腹の虫が収まらないと、「教育委員長に訴える」となる。それがフィードバックされると、担当教諭は萎縮してしまう。親はやり込めたと得意がっている。

 日常生活のなかでも、子どもは『がまんできない親』をみる機会が多い。家族が団らんするレストランでの光景のひとつ。ウェイトレスが誤ってコップを倒し、服を汚したとなると、親は怒鳴ったり、暴言を吐いたり、大勢のまえでも罵声を浴びせたりする。相手の人格はまったく考えず、言いたい放題。従業員がいくら謝っても、気持ちが収まらないから、「店長を呼べ」となる。

 日本ではかつて寛容な態度や他人への思いやりが社会生活の中核になっていた。「いいんだよ、気にしないで。人間にはミスがつきもの、お互いさま」ということばが随所で聞かれたものだ。最近は、とくに若い父親、母親の世代からは『お互いさま』ということばが死語かと思うほど、聞けなくなった。
 
 事例をあげれば切がないが、金を払う側の人間が強いという劣悪な意識から、店員がミスすれば、がまんできず怒鳴りつけ、攻撃的に店長を呼べとなる。商品に欠陥があれば、メーカーの社長を呼べ、病院では院長を出せとなる。
『子どもは親の背中を見て育つ』という格言がある。親が相手をいたわらず傲慢な態度をとれば、子どもにどんな影響があるのか。相手の人格を尊重し、感謝の念を持つ子どもなど育つはずがない。「がまん出来ない親から、がまんのできる子が育つはずがない」。わがまま、身勝手、独りよがり、精神を抑制できない子となってしまう。

 学校に行けば教室内で、些細なことでもがまんが出来ず、逆切れする。教諭が生徒を厳しく注意すれば、親が出てくる。生徒や親に目に余る行為や非常識な行動が過去にあったとしても、ひとたび生徒が事件を起こせば、学校関係者がひたすら頭を垂れ、謝罪している。全責任が学校にあるような謝罪会見をやめなければ、いつまでたっても事件の背景が表に出てこない。

 校長は記者会見で、「親の躾まで、教育できません」とはっきり言うべきだ。『がまんできない子をつくりだす』実態を世にさらけ出すことだ。学校が加害者の親を批判すれば、きまって名誉毀損だというものが現れる。しかし、毅然とした態度で反論すればいい。「教員の目がみると、こういう凶悪犯罪をおこした源流は、家庭内教育にたずさわる親の態度にある」といって、警鐘を鳴らしつづけるべきだ。学校関係者の勇気ある行動と発言に期待したい。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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