【ファンキー通信】オカンのパワー炸裂! 情熱空回り系アートが蔓延!?

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 「グラフィティアート」と言えば、若者が壁面にスプレー等で字や絵を描くウォールペイントのこと。無許可でシャッターや公共物に落書きをする行為が増え、社会問題になっている半面、アメリカなどでは立派な芸術として認められている文化である。

 しかし、無許可で勝手、そして知らぬ間に増えているという意味では、今、日本でも同様の現象が起きているのをご存じだろうか? それは、アメリカのグラフィティアートに対する、日本のオカン(母親)側からのアンサーとでも言うべき現象なのだ。その名はズバリ「オカンアート」。家族に内緒でさまざまな造形物を作り無許可で部屋に飾るオカンアートが今、密かに注目を集めている。もちろんこちらは社会問題になるわけもなく、ほのぼのしていてどこか憎めない、むしろ愛せることから、どちらかといえば脱力系のネタとして盛り上がっているわけだが。

 オカンアートが盛り上がったきっかけは、某巨大掲示板サイトで、投稿者が母親の作品を紹介したことに始まる。その後、「うちにもオカンアートがある」と書き込みが殺到したようだ。どこの家庭にもあるのかと思い、僕も友達に「家にオカンが作った作品ある?」と聞いてまわったところ、「たんすの上にオカン作の人形が並んでいる」「ドアノブカバーがオカンアートによって亀の人形になっている」などの回答が集まってきた。

 数々のオカンアートをまとめていくと、いくつかの共通点があることが分かった。基本的には役に立たないものが多い、いらないものの再利用が多い、など。さらには飾る場所に困ると、部屋のあらゆる場所に侵攻してくるというのも特徴だ。

 子どもの頃、近所の自治体の集会か何かで、オカン同士が集まってパッチワークや刺繍を楽しむ会に参加させられたことがある。おそらく日本中のそこかしこで、オカンは自らの作品を生み出すべく研究に励んでいるわけで、新たなオカンアートはこれからも生産され続けるのだ。冷たい目で見るのではなく、やさしく見守っていきたい。

 不思議なもので、最初は「こんなもの作るなよ〜・・・」とげんなりしていても、妙に味があるオカンの作品を、最終的にいとおしく思ってしまいそうになる自分がいる。ぜひとも今後、オカンアートの日本一を決める大会『O-1グランプリ』などを開催して、オカン・アート・シーンを確立していってほしい。

 やっぱり、オカンは偉大なのだ。(梅田カズヒコ/verb)

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