アフガニスタン東部ナンガルハル州の警察などによると、福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表の医師、中村哲さんが現地時間の4日午前、ナンガルハル州の州都ジャララバードを車で移動中に何者かに銃撃されたという。中村さんはけがをして病院で手当てを受けていたが、その後、死亡が確認されたとのこと。中村さんはアフガニスタンで長年、農業用水路の建設など復興に携わってきた人物だ。NHKニュースが報じた。

現場となったアフガニスタン東部は、イスラム過激派の活動が活発な地域で、最近では、反政府武装勢力タリバンに加え、過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織が台頭し、治安が悪化していたという。

事件の発生を受け、タリバンは声明を出し、「今回、ジャララバードで起きた事件について関与を否定する。日本のNGOは、われわれの土地でこれまで復興支援に取り組んできており、攻撃の対象にしたことは一切ない」として、犯行への関与を否定した。タリバンが事件の発生後、速やかに関与を否定した背景には、長年、農業用水路の建設などに携わり、アフガニスタンの人たちに高く評価されている中村さんを襲撃すれば、かえって世論の反発を招きかねないという懸念もあったものとみられる。

アフガニスタンで銃撃された中村哲医師死亡(NHKニュース)