2006年W杯 サッカーとエコロジー
2006年02月27日08時08分 / 提供:PJ
東京都港区にある東京ドイツ文化センターで23日、 国際環境NGOのFoEJapanが主催した「2006年W杯記念特別企画 グリーン・ゴール 〜サッカーとエコロジー」というイベントが行われた。
イベントの前半は、元サッカープレーヤーで現在フジテレビ「スポルト」でコメンテーターをされている風間八宏さんのお話。そして後半がFoEJapanによる「グリーン・ゴール」の説明が行われた。
「グリーン・ゴール」とは、ドイツ・ワールドカップにおいて、「ゴミ」「交通」「エネルギー」「水」の四つの項目で削減目標値を設定し、それを達成するための具体的なプランを実施していく包括的な環境対策である
まず「ゴミ」はリユース・カップを用いたり、簡素な包装を心がけて、ゴミの発生を抑制。それに加えて、お客さんにも分別やリサイクルを呼びかける。
次に「交通」では観客の50%が公共交通機関を使用することを目指している。なにせヨーロッパを中心に世界中から320万人の観客が来る。彼らが車を使って移動すると、とてつもない量の二酸化炭素が排出される。
そこで、観戦チケットがそのまま地域公共交通機関の一日乗車券にも使えるという案を考えた。その他にも、インターネット上で多言語交通システムの検索サービスを提供したり、公共交通機関の案内表示を強化したりもする。またドイツ鉄道と連携して、報道陣には無料パスを配布するという配慮もある。
「エネルギー」は、20%削減を目指す。全12スタジアムの年間電力使用量を合計すると200-300万KWh(500〜700世帯の1年分に相当する電気量)にもなるらしい。特に投光照明灯とビデオスコアボードが一番エネルギーを消費する。この環境負荷をなんとか減らすための対策としては、太陽光発電の導入、省エネ照明の利用、空調や冷房の熱の最利用、エネルギー管理システムの導入、食堂での電気からガス調理器への変更が行われる。
次に「水」。目標値は20%削減。W杯全体で4万2000立法メートルの水が消費される。一番多く水を使うのが、ピッチへの散水。次にトイレやシャワーの利用である。そこでピッチの散水には雨水を利用する。そして男性用のトイレには無水便器という特殊な材料と器具を使い、水を流さなくても臭わないようにする。また節水コック(気がつかない程度の水圧調整で50%の節水)を導入するなどの対策を練っている。
各スタジアムの環境への取り組みは以下に示す。ベルリン(公共交通機関の70%利用)、ドルトムント(太陽光発電、ユーロソーラー賞受賞)、フランクフルト(雨水利用)、ゲルゼン(太陽光発電)、ハンブルク(エコプロフィット)、ハノーバー(エコ改修、無水トイレ)、ケルン(省エネ型地下暖房)、カイザー(パーク&ライド)、ライプチヒ(エコ都市化の一貫としての対策、雨水利用)、ミュンヘン(EMAS)、ニュルンベルク(EMAS、地下水利用)、シュツット(雨水利用)
しかし、これらの対策を施しても排出される二酸化炭素は、10万トンにのぼる計算である。そこでドイツサッカー連盟は、津波で被害を受けた南インドのタミル・ナドゥという村に50万ユーロを投資する。牛の糞を再利用して作られるバイオガスの調理設備を建設するそうだ。この援助を CDM(クリーン・デベロップメント・メカニズム)として、二酸化炭素の排出量をオフセットするという。しかも途上国への設備導入後は、事業がうまく行っているかをモニターするため、専門の事業機関と契約するという徹底ぶりである。
また、各スタジアムでは、リユース・カップが利用される。このリユース・カップが始まったのも、ドイツのフライブルグのサッカー・スタジアムだった。最近では、日本でも、Summer Sonic, Fuji Rock Festival, ap bank festivalなどの夏フェスや、都内10カ所のライブハウスにも導入され始めている。
リユース・カップは生分解性プラスチックで出来ていて、洗って使えば最大50回の再利用が可能である。地域のお祭りやイベントにも無償で貸し出してくれるそうだ。
ワールドカップという世界的なイベントで、「グリーン・ゴール」という環境対策が行われ、それが注目されることで、日本の様々なイベントでの取り組みも盛んになって行くといい。【了】
■関連情報 地球・人間環境フォーラムのリユース・カップのページ http://www.gef.or.jp/reuse/
イベントの前半は、元サッカープレーヤーで現在フジテレビ「スポルト」でコメンテーターをされている風間八宏さんのお話。そして後半がFoEJapanによる「グリーン・ゴール」の説明が行われた。
「グリーン・ゴール」とは、ドイツ・ワールドカップにおいて、「ゴミ」「交通」「エネルギー」「水」の四つの項目で削減目標値を設定し、それを達成するための具体的なプランを実施していく包括的な環境対策である
まず「ゴミ」はリユース・カップを用いたり、簡素な包装を心がけて、ゴミの発生を抑制。それに加えて、お客さんにも分別やリサイクルを呼びかける。
次に「交通」では観客の50%が公共交通機関を使用することを目指している。なにせヨーロッパを中心に世界中から320万人の観客が来る。彼らが車を使って移動すると、とてつもない量の二酸化炭素が排出される。
そこで、観戦チケットがそのまま地域公共交通機関の一日乗車券にも使えるという案を考えた。その他にも、インターネット上で多言語交通システムの検索サービスを提供したり、公共交通機関の案内表示を強化したりもする。またドイツ鉄道と連携して、報道陣には無料パスを配布するという配慮もある。
「エネルギー」は、20%削減を目指す。全12スタジアムの年間電力使用量を合計すると200-300万KWh(500〜700世帯の1年分に相当する電気量)にもなるらしい。特に投光照明灯とビデオスコアボードが一番エネルギーを消費する。この環境負荷をなんとか減らすための対策としては、太陽光発電の導入、省エネ照明の利用、空調や冷房の熱の最利用、エネルギー管理システムの導入、食堂での電気からガス調理器への変更が行われる。
次に「水」。目標値は20%削減。W杯全体で4万2000立法メートルの水が消費される。一番多く水を使うのが、ピッチへの散水。次にトイレやシャワーの利用である。そこでピッチの散水には雨水を利用する。そして男性用のトイレには無水便器という特殊な材料と器具を使い、水を流さなくても臭わないようにする。また節水コック(気がつかない程度の水圧調整で50%の節水)を導入するなどの対策を練っている。
各スタジアムの環境への取り組みは以下に示す。ベルリン(公共交通機関の70%利用)、ドルトムント(太陽光発電、ユーロソーラー賞受賞)、フランクフルト(雨水利用)、ゲルゼン(太陽光発電)、ハンブルク(エコプロフィット)、ハノーバー(エコ改修、無水トイレ)、ケルン(省エネ型地下暖房)、カイザー(パーク&ライド)、ライプチヒ(エコ都市化の一貫としての対策、雨水利用)、ミュンヘン(EMAS)、ニュルンベルク(EMAS、地下水利用)、シュツット(雨水利用)
しかし、これらの対策を施しても排出される二酸化炭素は、10万トンにのぼる計算である。そこでドイツサッカー連盟は、津波で被害を受けた南インドのタミル・ナドゥという村に50万ユーロを投資する。牛の糞を再利用して作られるバイオガスの調理設備を建設するそうだ。この援助を CDM(クリーン・デベロップメント・メカニズム)として、二酸化炭素の排出量をオフセットするという。しかも途上国への設備導入後は、事業がうまく行っているかをモニターするため、専門の事業機関と契約するという徹底ぶりである。
また、各スタジアムでは、リユース・カップが利用される。このリユース・カップが始まったのも、ドイツのフライブルグのサッカー・スタジアムだった。最近では、日本でも、Summer Sonic, Fuji Rock Festival, ap bank festivalなどの夏フェスや、都内10カ所のライブハウスにも導入され始めている。
リユース・カップは生分解性プラスチックで出来ていて、洗って使えば最大50回の再利用が可能である。地域のお祭りやイベントにも無償で貸し出してくれるそうだ。
ワールドカップという世界的なイベントで、「グリーン・ゴール」という環境対策が行われ、それが注目されることで、日本の様々なイベントでの取り組みも盛んになって行くといい。【了】
■関連情報 地球・人間環境フォーラムのリユース・カップのページ http://www.gef.or.jp/reuse/
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 朝倉 創
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