観光人気の回復?熱海の梅と桜は一緒に満開
2006年02月26日07時25分 / 提供:PJ
関東から西の各地では梅祭りとか、桜祭りとかが盛んだ。今年は花の訪れが遅く、人出も例年より少なく、イベント会場の盛り上がりは精彩を欠いている。おおかた関係者は苦慮していることだろう。そのなかにあって、熱海の梅林は別格と思えるほど賑わっている。
明治19年に開園した熱海の場合は、早咲き、中咲き、遅咲きという三段階の梅木をもつ。熱海の『日本一早く咲く梅』はとくに有名で、早ければ11月下旬から咲きはじめる。他方で、『日本一遅い紅葉』の見ごろが11月。桜と紅葉が重なり合う年はマスコミに取り上げられ、なにかと話題を振りまく。単に気候のいたずらだけでなく、樹齢百年を超える古木を含めた732本の梅が園内にある。そのうえ、多彩な63種類であることから、季節の段差が生まれるようだ。
いまは中咲きの梅が満開。熱海駅から15分の臨時バスはどれも満員だ。遅咲きはこのさき2週間後に開花が予想される。梅林に漂う甘い香りが3月半ばまで、連続して楽しめる。梅のシーズン中は熱海梅園に70万人から80万人の観光客がくるという(中山晋平記念館の担当者の談)。それゆえに熱海梅祭りのイベント広場は長期にわたり、数々の魅力ある催しが行われている。
熱海は、芸妓の数では日本一。1月、2月は熱海芸妓連の舞踊、点茶会が優雅に行われた。他にも歌謡ショー、琴演奏、柿の種飛ばし大会。老若男女へのサービスを兼ねた趣向を凝らす。この先も3月半ばまで土日曜には音楽祭、ミス熱海の撮影会など何かしらのイベントが豊富につづく。
熱海梅園は見学スポットがいくつもある。一つには「東京音頭」「雨降りお月さん」『波浮の港』などヒット曲を生み出した中山晋平の記念館である。作詞家の中山晋平は長野県生まれ。なぜ、ここに記念館があるの? と思ってしまう。記念館の建物は中山晋平が昭和10年、熱海に隣接する西山町に別荘として建てたものだという。空襲がひどくなった昭和19年には移り住んでいた。かれが没した後、ビクターに買い取られていたが、平成3年には熱海梅園に移築し、記念館になったと説明をうけた。年配者には中山晋平の懐かしい童謡や流行歌が思い出せる場所だ。熱海市には中山晋平ファンを引き寄せる狙いがあったのだろう。
熱海生まれの澤田政廣の記念美術館。かれは木彫作品、絵画、陶芸、版画、書、ステンドグラスなど幅広い芸術作品を残す。それら数千点の作品が展示されている。俳諧をたしなむ人むけには梅林のなかに松尾芭蕉、釜三林、石田春雅などの句碑が点在する。梅園のなかには、趣向を凝らした赤塗りなどの橋が五ヶ所あり、写真撮りにはいい被写体になっている。
丘陵の一角の真新しい『熱海梅林韓国庭園』はことさら目立つ。平成12(2000)年に、熱海で森首相と金大中大統領による日韓首脳会議が開かれた。それを記念して造られた庭園である。トップ会談の場面を模した室内レプリカがある。
過去の熱海は温泉旅館やホテルが市の財政を支えていた。しかし、日本人の旅行が多様化してきた現在、温泉だけでは観光客が引けなくなってきた。時代の変化が熱海市に危機感を与えたのだろう。梅園を一周するだけでも、熱海市の並々ならぬ観光市政の取り組みが感じられる。
最近はアタミザクラが人気を博している。花弁が濃いピンク色の熱海桜はカンザクラの一種とか、違うとか、学説が定まっていないようだ。こちらも人気が年々高まりつつある。熱海駅周辺や初川の川護岸の一帯はいまや鮮やかな満開。熱海を訪ねると、ごく自然に梅と桜がいっしょに愉しめる。ここにも熱海市の起死回生の観光努力が感じられた。【了】
明治19年に開園した熱海の場合は、早咲き、中咲き、遅咲きという三段階の梅木をもつ。熱海の『日本一早く咲く梅』はとくに有名で、早ければ11月下旬から咲きはじめる。他方で、『日本一遅い紅葉』の見ごろが11月。桜と紅葉が重なり合う年はマスコミに取り上げられ、なにかと話題を振りまく。単に気候のいたずらだけでなく、樹齢百年を超える古木を含めた732本の梅が園内にある。そのうえ、多彩な63種類であることから、季節の段差が生まれるようだ。
いまは中咲きの梅が満開。熱海駅から15分の臨時バスはどれも満員だ。遅咲きはこのさき2週間後に開花が予想される。梅林に漂う甘い香りが3月半ばまで、連続して楽しめる。梅のシーズン中は熱海梅園に70万人から80万人の観光客がくるという(中山晋平記念館の担当者の談)。それゆえに熱海梅祭りのイベント広場は長期にわたり、数々の魅力ある催しが行われている。
熱海は、芸妓の数では日本一。1月、2月は熱海芸妓連の舞踊、点茶会が優雅に行われた。他にも歌謡ショー、琴演奏、柿の種飛ばし大会。老若男女へのサービスを兼ねた趣向を凝らす。この先も3月半ばまで土日曜には音楽祭、ミス熱海の撮影会など何かしらのイベントが豊富につづく。
熱海梅園は見学スポットがいくつもある。一つには「東京音頭」「雨降りお月さん」『波浮の港』などヒット曲を生み出した中山晋平の記念館である。作詞家の中山晋平は長野県生まれ。なぜ、ここに記念館があるの? と思ってしまう。記念館の建物は中山晋平が昭和10年、熱海に隣接する西山町に別荘として建てたものだという。空襲がひどくなった昭和19年には移り住んでいた。かれが没した後、ビクターに買い取られていたが、平成3年には熱海梅園に移築し、記念館になったと説明をうけた。年配者には中山晋平の懐かしい童謡や流行歌が思い出せる場所だ。熱海市には中山晋平ファンを引き寄せる狙いがあったのだろう。
熱海生まれの澤田政廣の記念美術館。かれは木彫作品、絵画、陶芸、版画、書、ステンドグラスなど幅広い芸術作品を残す。それら数千点の作品が展示されている。俳諧をたしなむ人むけには梅林のなかに松尾芭蕉、釜三林、石田春雅などの句碑が点在する。梅園のなかには、趣向を凝らした赤塗りなどの橋が五ヶ所あり、写真撮りにはいい被写体になっている。
丘陵の一角の真新しい『熱海梅林韓国庭園』はことさら目立つ。平成12(2000)年に、熱海で森首相と金大中大統領による日韓首脳会議が開かれた。それを記念して造られた庭園である。トップ会談の場面を模した室内レプリカがある。
過去の熱海は温泉旅館やホテルが市の財政を支えていた。しかし、日本人の旅行が多様化してきた現在、温泉だけでは観光客が引けなくなってきた。時代の変化が熱海市に危機感を与えたのだろう。梅園を一周するだけでも、熱海市の並々ならぬ観光市政の取り組みが感じられる。
最近はアタミザクラが人気を博している。花弁が濃いピンク色の熱海桜はカンザクラの一種とか、違うとか、学説が定まっていないようだ。こちらも人気が年々高まりつつある。熱海駅周辺や初川の川護岸の一帯はいまや鮮やかな満開。熱海を訪ねると、ごく自然に梅と桜がいっしょに愉しめる。ここにも熱海市の起死回生の観光努力が感じられた。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一
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