子育てには何かと不安がつきものです。例えば落ち着きがなく公共の場所で騒いでしまったり、食事中などでもじっと座っていられないなどの子どもに対する悩みを持つ親は多いもの。はたからみると、「子どもはそんなもの」「成長すれば落ち着く」と思うかもしれませんが、当の親はそんな悠長には考えられません。「なぜうちの子はこんなに落ち着きがないの?」と感情的に叱ってしまったり、さらには「こんなに落ち着きがないのは、どこか発達障害なのかも」と、インターネットの検索魔になってしまうことは、親なら誰でも1度は経験しているのではないでしょうか?

みんな同じ!子どもの「落ち着きがない」「集中力がない」という悩み

そこで今回ご紹介したいのが、株式会社nanairoが幼児から小学校低学年の子どもを持つ保護者に行なった「子どもの性格としつけに関する意識調査」のアンケート調査です。こちらによると、自分の子どもに対して「性格や行動に不安を感じたことがある」と答えた人は、54.8%。半数以上が何かしらの不安を感じていることが分かりました。

では具体的に、どんな不安を抱えているのでしょうか?またどんなどきに不安を感じるのかを調べたところ、以下のような結果となりました。

「泣き虫」は子ども自身がコントロールできるものではありませんが、親からすると将来的にいじめにつながる心配を感じるのかもしれません。

やはり、子どもの性格で「落ち着きがない」「集中力がない」と感じる親が多いことが判明。それに続くのは「泣き虫」となっています。そして注目したいのは「行動に不安を感じるシチュエーション」。圧倒的に多いのは「遊んでいるとき」となっていますが、これは子どもにとって“楽しい”と、テンションが高くなっている時ではないでしょうか。一方公共の場で他の人に迷惑をかける可能性のある「電車や車など乗り物に乗っている時」は、ごくわずか。子どもなりに、TPOをわきまえているのかもしれません。

あとで後悔……子どもを叱るとき、つい感情的になってしまう

それでも当事者である親にとっては、落ち着きがなかったり集中力がない子どもをみると、何か一言いいたくなってしまうもの。そこで同調査では子どもに対し、「子育てやしつけでついやってしまうこと」を調査。結果は次の通りとなりました。

「叱るときに感情的になってしまう」に続くのは「自分の考えを押し付けてしまう」と「甘やかしてしまう」。しつけって難しい……。

圧倒的に多かったのは「叱るとき感情的になってしまう」(60.0%)。具体的な意見としては「お調子者で遊んでいる時はいいが、やり過ぎてしまう事が多くご飯中も立ち歩く。私も思い通りにいかずつい感情的になってしまう」(30代女性)、「自己主張が強い子に対して、どうしつけたら良いのかわからない(30代女性)といった声がありました。親も人間なのでつい感情的になってしまうのは仕方がないことかもしれませんが、あとでそれを後悔する親も多いようです。

また子どもの発達に不安を抱える親の意見としては、こんな意見もありました。

「ADHDグレーだと思う。相談もしているが、ワーキングメモリがうまく働いてないと言われている」(40代女性)

「ADHDの症状がある」(30代男性)

「ADHD、どこまでのサポートをすべきか」(40代女性)

ADHDとは「注意欠陥多動性障害」のこと。忘れ物が多く落ち着きがないといった症状が特徴で、子どもの20人に1人はあてはまるそうです(※)。実際に診断がついた人もいれば、親が疑っている段階の人もいるとは思いますが、今の時代はインターネットで「子ども 落ち着きがない」と検索すると、すぐに「ADHD」「発達障害」といったキーワードのページが出てきます。落ち着きがないことに悩むとそれを疑ってしまうのは、ある意味仕方がないことかもしれません。

感情的に怒ってしまったり、イライラして手を上げようと思ったけど、こらえた……親ならそんな経験も一度や二度はあると思います。

とはいえ今回の調査のように、親の半数は自分の子どもの行動や性格に何かしらの不安を抱えている現状があります。不安なのは自分だけではないのです。あまり検索魔にならず、まずは同じように子育てしている人に悩みを打ち明けて共有できれば、不安の解消につながるのではないでしょうか?

※日本精神神経学会ホームページより
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=39

【調査概要】
調査主体:株式会社nanairo
調査日:2019年10月11日(金)
調査方法:インターネット調査
調査人数:1,120人
調査対象:幼児〜小学校低学年のお子さまを持つ保護者
モニター提供元:ゼネラルリサーチ