SBI生命保険は10月10日、「将来の不安に対する意識」に関する調査結果を発表した。調査は今年8月〜9月にネット上で実施。20〜60代の男女1000人から回答を得た。

「将来についてどのようなことに不安を感じるか」を聞くと、上位3つが「病気(生活習慣病・がんなど)になる」(73.1%)、「災害にあう」(59.5%)、「事故にあう」(59.3%)となった。近年頻発する自然災害や交通事故など時代を反映する結果といえる。

以降、「貯金がない」(45.7%)「もらえる年金の額」(43.0%)、「親の介護」(41.3%)、「病気(精神疾患・うつ病など)になる」(41%)と続く。

「病気がキッカケでお金、仕事など全てを失いそう」


年代別では、40代は「病気やケガで働けなくなる」(48.3%)の項目が他の世代より高かった。また50代では「充分な収入が得られなくなる」(51.2%)の項目が他の年代に比べて高く、それぞれの世代で抱える不安が明らかになった。具体的には、

「病気がキッカケで、お金、仕事など全てを失いそうだから」(女性/47歳/既婚)
「子供がいないので、自分や妻が病気になったら、経済的な面や介護などどうすればよいか解決策を思いつかない」(男性/55歳/既婚)

など将来を危惧する声が寄せられた。

また、20代女性は「貯金がない」(59.0%)、50代女性は「親の介護」(59.4%)がほかに比べて多かった。一方、20代男性の24.1%は「特に不安はない」と回答した。全体では「孤独になる」と答えた人が25.1%で4人に1人の割合だった。

もし病気になった場合、何を最も心配に感じるかを聞くと、「仕事を失う」「働けなくなる」「充分な収入が得られなくなる」の収入減につながることが合計31.5%と最多。年代に関わらず生活するために働いて収入を得ることの重要性が明らかになった。

以降、「治療費がかかる」(25.3%)、「家族に負担がかかる」(20.9%)、「生活費に関する心配」(10.8%)という結果だった。

「充分な収入が得られなくなる」の割合が他の年代より高かったのは、男女共30代(男性28.1%、女性25.0%)だった。「家族に負担がかかる」では、特に50代女性(36.6%)、60代(42.1%)が高い。

「貯金がほんとにゼロなので非常事態になると死ぬしかない」

将来の不安を解消するために、今後行いたいと思う手段は「貯金を増やす」(48.9%)が最多で、次いで「倹約する」(36.4%)、「健康に気を使った生活」(27.7%)と続く。

性年代別でみると、30代男性で「金融資産への投資」(27.1%)、30代女性で「副業する」(27.2%)が高かった。一方、「何も行いたいと思う手段はない」は20.7%で、心配を抱えながらもどうしたら良いかわからないという状況にあることがうかがえる。

貯金の金額を聞くと、最も多かったのは「0〜20万円未満」(22.3%)。以降「100万円〜300万円未満」(14.3%)、「20万円〜100万円未満」(13.0%)となり、貯金が300万円未満の合計は49.6%となった。また、「2000万円以上」は13.6%。貯金がないと悩む人からは、

「貯金がほんとにゼロなので非常事態になると死ぬしかない」(女性/47歳/未婚)

といった切実な声が寄せられた。