おっぱい岩(Garyuukouさん撮影、Wikimedia Commonsより)

上の写真をご覧いただこう。海岸の中に転がっているのは、まるで巨大な乳房のようだ。

なんと乳首のようなものまで。ポロリというよりは、大胆に見えてしまっているではないか。はたして写真をこのまま掲載してしまっていいのだろうか? 思わず心配になるほどだ。

ここは熊本県の西部、天草諸島北西部に位置する苓北町(れいほくまち)。この岩は、その名も「おっぱい岩」と名付けられている。知る人ぞ知る名所「おっぱい岩」とは、いったいどんな岩なのだろう。

Jタウンネット編集部は苓北町に電話して聞いてみた。

約4000万年前の地層からポロリ!

電話で答えてくれたのは、苓北町の商工観光課の担当者だった。

「おっぱい岩」とはどのようにしてできたのだろうか? と聞いてみた。

「この辺りの古い地層の中にあった硬い塊が、風化侵食により取り残されたものだそうです」と担当者。

天草ではさまざまな時代の地層が見られるが、「おっぱい岩」は坂瀬川層(さかせがわそう)と呼ばれる地層(約4000万年前)の中から現れた石灰質団塊(ノジュール)と考えられている。

「おっぱい岩」の大きさは、直径約1.5メートル。かなりの巨乳である。なお「小おっぱい岩」と呼ばれる小ぶりな岩もあるそうだ。


おっぱい岩(苓北町観光協会公式フェイスブックページより)

この「おっぱい岩」はいつも見られるわけではない。

干潮時にしか姿を現さない。苓北町商工観光課が運営するサイト「スローな時間 スローな旅 天草・苓北」には、おっぱい岩潮見表が用意されている。干潮の時間帯を確認することが必要だ。