実録!日テレ「ザ・ワイド」によるマスコミ被害(3)
2006年02月16日11時21分 / 提供:PJ
第2回からのつづき。日テレ「ザ・ワイド」が持つ姿勢の最大の問題点は、取材先は番組の中で「消費されるべきモノ」だという感覚を、ディレクターやプロデューサーといった番組編成の要になる人材が常識的に抱いている点であろう。それは、記者を取材したディレクターのメールやプロデューサーの言動から読み取れる。
7日の午後7時過ぎ、日テレ「ザ・ワイド」のディレクターからメールが届いた。紀子さまが第三子をご懐妊されたとかで、この日午前中に収録したものの放送は見合わせることになったとの内容だった。そして、取材協力費を支払いたいので、口座が知りたいと付け加えてあった。
前の晩、急な取材に応じろと無理難題を押しつけながら、今度は放映しないと一方的にメールで通告してきたのであった。どのような感覚を持って「取材活動」を行っているのだろうか。カネを払えばすべて済む、カネで人の心を買えるという感覚なのだろうか。
そもそも、日テレ「ザ・ワイド」は報道番組なのであろうか。新聞・通信社の報道取材であれば通常、取材協力費など支払わない。それは市民社会から付託を受けて、市民社会が知らねばならない出来事を、市民社会に伝えるからだという論理に基づく。記者としても、カネをもらって取材に応じたなどと吹聴されてはたまらない。取材協力費など受け取るつもりは毛頭無かったが、もしそれを言い出すならば、取材を始める前の段階であろう。日テレのホームページを開くと、「ザ・ワイド」は「報道」ではなく「情報・バラエティ」に分類されていた。
記者がこのメールを開いたのは翌8日の早朝であった。午前9時まで待ち、このディレクターに電話で状況をたずねた。一生懸命に放映するよう努力はしたと釈明するのだが、こちらとしては納得がいかなかった。番組編成についての責任者と話がしたいと伝えると、「10時半まで会社に来ないから連絡が付かない」などと弁解した。この時代、携帯電話で連絡が付かない報道人などいるのだろうか。
午前11時頃になって、日テレ「ザ・ワイド」の番組制作の責任を負っているという、日テレエンタープライズの制作センターグループ長補佐・プロデューサーのM氏から電話連絡が来た。記者が「なぜこんな取材をするのか、そして放映しない判断に至ったのか、きちっと説明して欲しい」と伝えると、「会って話したい」と返答してきた。その日の午後、新宿でお会いすることにした。
喫茶店に入り、一連の出来事をこちらから説明すると、同席した読売テレビ東京制作局のN氏が「ディレクターの取材態度が不適切で申し訳ありませんでした。社員教育を徹底させます」などと謝罪したまでは良かった。「ザ・ワイド」は日テレと読売テレビの共同制作だという。報道局で事件記者の経験が長かったN氏には、誠実に対応をしていただいた。
だが、記者が「この問題をマスコミ被害という観点から、取材したいので対応していただきたい」と問うと、状況は急転した。M氏は顔を真っ赤に染め、急に「取材は応じられない。取材に応じる立場にない。取材するならば、広報を通せ」などと静かな室内で声を張り上げたのだった。その後も、M氏は興奮しながら、まるで記者に非があるかのように話し続けた。
それでは筋が通らないだろう。この件で、記者は3日間にわたり、のべ半日以上の時間を取られているのだ。「ザ・ワイド」側は取材を断る記者を強引に説得し、しかも「だまし取材」をしておきながら、放映しないとメールで一方的に伝えてきたのである。
日テレは一般市民からの付託を受けたという前提に立ち、特別に公の電波を利用することを許されて事業を行い、利潤を得ているのである。そこに携わる人々、特にその責任者は公人といっても過言ではない。番組の意図やその内容、取材方法などについては、公に対して情報開示と説明責任がある。でなければ、公の電波を使って事業を行う資格など無い。日テレは放送法の精神をいかに理解しているのだろうか。
結局、らちがあかなかったので、文書で謝罪して欲しいと伝えると、13日までに連絡するとの返事だった。そして記者は3人分の喫茶代を支払って、その場を去った。13日の午後5時近くになり、M氏から電話連絡があった。M氏は「文書での謝罪はしません。こちらからは精一杯の誠意を見せました」と言って、電話を切った。【つづく】
■関連記事:実録!日テレ「ザ・ワイド」によるマスコミ被害
第1回
第2回
第4回
7日の午後7時過ぎ、日テレ「ザ・ワイド」のディレクターからメールが届いた。紀子さまが第三子をご懐妊されたとかで、この日午前中に収録したものの放送は見合わせることになったとの内容だった。そして、取材協力費を支払いたいので、口座が知りたいと付け加えてあった。
前の晩、急な取材に応じろと無理難題を押しつけながら、今度は放映しないと一方的にメールで通告してきたのであった。どのような感覚を持って「取材活動」を行っているのだろうか。カネを払えばすべて済む、カネで人の心を買えるという感覚なのだろうか。
そもそも、日テレ「ザ・ワイド」は報道番組なのであろうか。新聞・通信社の報道取材であれば通常、取材協力費など支払わない。それは市民社会から付託を受けて、市民社会が知らねばならない出来事を、市民社会に伝えるからだという論理に基づく。記者としても、カネをもらって取材に応じたなどと吹聴されてはたまらない。取材協力費など受け取るつもりは毛頭無かったが、もしそれを言い出すならば、取材を始める前の段階であろう。日テレのホームページを開くと、「ザ・ワイド」は「報道」ではなく「情報・バラエティ」に分類されていた。
記者がこのメールを開いたのは翌8日の早朝であった。午前9時まで待ち、このディレクターに電話で状況をたずねた。一生懸命に放映するよう努力はしたと釈明するのだが、こちらとしては納得がいかなかった。番組編成についての責任者と話がしたいと伝えると、「10時半まで会社に来ないから連絡が付かない」などと弁解した。この時代、携帯電話で連絡が付かない報道人などいるのだろうか。
午前11時頃になって、日テレ「ザ・ワイド」の番組制作の責任を負っているという、日テレエンタープライズの制作センターグループ長補佐・プロデューサーのM氏から電話連絡が来た。記者が「なぜこんな取材をするのか、そして放映しない判断に至ったのか、きちっと説明して欲しい」と伝えると、「会って話したい」と返答してきた。その日の午後、新宿でお会いすることにした。
喫茶店に入り、一連の出来事をこちらから説明すると、同席した読売テレビ東京制作局のN氏が「ディレクターの取材態度が不適切で申し訳ありませんでした。社員教育を徹底させます」などと謝罪したまでは良かった。「ザ・ワイド」は日テレと読売テレビの共同制作だという。報道局で事件記者の経験が長かったN氏には、誠実に対応をしていただいた。
だが、記者が「この問題をマスコミ被害という観点から、取材したいので対応していただきたい」と問うと、状況は急転した。M氏は顔を真っ赤に染め、急に「取材は応じられない。取材に応じる立場にない。取材するならば、広報を通せ」などと静かな室内で声を張り上げたのだった。その後も、M氏は興奮しながら、まるで記者に非があるかのように話し続けた。
それでは筋が通らないだろう。この件で、記者は3日間にわたり、のべ半日以上の時間を取られているのだ。「ザ・ワイド」側は取材を断る記者を強引に説得し、しかも「だまし取材」をしておきながら、放映しないとメールで一方的に伝えてきたのである。
日テレは一般市民からの付託を受けたという前提に立ち、特別に公の電波を利用することを許されて事業を行い、利潤を得ているのである。そこに携わる人々、特にその責任者は公人といっても過言ではない。番組の意図やその内容、取材方法などについては、公に対して情報開示と説明責任がある。でなければ、公の電波を使って事業を行う資格など無い。日テレは放送法の精神をいかに理解しているのだろうか。
結局、らちがあかなかったので、文書で謝罪して欲しいと伝えると、13日までに連絡するとの返事だった。そして記者は3人分の喫茶代を支払って、その場を去った。13日の午後5時近くになり、M氏から電話連絡があった。M氏は「文書での謝罪はしません。こちらからは精一杯の誠意を見せました」と言って、電話を切った。【つづく】
■関連記事:実録!日テレ「ザ・ワイド」によるマスコミ被害
第1回
第2回
第4回
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 小田 光康
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