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一線ジャーナリストに聞く、ライブドア事件(1)

2006年02月16日08時27分 / 提供:PJ

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一線ジャーナリストに聞く、ライブドア事件(1)
PJニュースの取材に応じる「週刊現代」の出樋一親・編集長 (撮影:小田光康)
ある意味、記者は当事者としてライブドア事件を眺めている。そして、テレビでは連日、この事件を扱った特集が組まれているが、ここぞとばかりに、おもしろおかしく、「ライブドアは虚業」などと口走るニュース・キャスターや評論家、芸能人らに辟易している。物知り顔の彼らが、グローバル経済下でのライブドアの経営実態、不正な金融スキームや粉飾の手口、そして会計監査などのガバナンス体制といったそもそもの問題を理解しているのかも疑問だ。そこで記者は、日夜額に汗して一歩引いた目で、大局的に取材を続ける一線のジャーナリストらに「ライブドア事件とは」を聞いた。初回は「週刊現代」の出樋一親・編集長。

−「週刊現代」ではライブドアの堀江貴文前社長をどのように報じてきたのか。
 「近鉄買収問題から堀江さんについて、どのメディアよりも熱心に、しかも批判的に報じてきたつもりだ。新しい権力に対して、週刊誌的な肌感覚でいう論評を加えるというスタンスだ。個人的には、いままでの日本人の価値観にない感覚を持ち込んだ人だと思う。小泉首相に相通じるものがあるのではないか」

−ライブドア事件に関しては。
 「現時点では容疑の段階だが、やってはいけない罪を犯したのではないか。ただし、経済が世の中を支配していくというアメリカ型の資本主義を突き詰めていくと、堀江氏の方法論に行き着くのだろう。その発想としては問題もないが、日本人の美的感覚からすると外れている」

 「事件自体は、内部崩壊に近い事件と見ている。黙っていれば犯罪化しないことが多い中、その情報が内部の複数人から漏れて事件化したようだ。彼の敵対的・反協調主義的な考え方は新鮮だったが、それが内部からのあだとなって返ってきた」
 
 「政治的な意図とは別であったと考えている。事件化したのは堀江氏が目立っていることもある。検察が一石を投じたのは、一罰百戒という要素があったと思う」

−市場原理を優先させる堀江流の考え方は、世間はどう受け止めていたのか。
 「反発を持つ人もいれば、共感する人もいた。バブル経済がはじけて多くの日本人が疲弊していたときに、『カネですべてを語って何が悪いんだ』という新しい価値観が斬新ではあった。そのことに多くの若い人たちがうなずいた」

 「大人たちがリストラされ右往左往しているときに、堀江氏が登場して単純明快な主張を展開したことで、若者にはある種のカリスマ出現と映ったのだろう。ライブドアの起こした事件自体はあまりにもつたないが、そのことと背後にある文化性についてまで同一視するのはおかしい」

−「週刊現代」の主な読者層であるサラリーマンの反応は。
 「読者は興味があるけれど、怖い存在であったのだろう。企業人の間では話題になっても、好きでも嫌いでもない異物だったという。社会に落ちた隕石という意味では大きな存在だった。バブル崩壊で、サラリーマンはリストラ・肩たたきにあい元気が無くなった。景気の良い時には、サラリーマンは世の中への主張や、政治的なオピニオンが活発だったが、経済の先行きが危うくなると、横ばかり見たり、自分を省みることが多くなった。そんな意識の中に、大きな隕石が降ってきた」

 「ホリエモンという存在の出現を、当初は自分の中では受け入れられなかった。特に、中高年のサラリーマンは、彼が良いのか悪いのか区別が付かなかったのでは。徐々に理解しつつあったホリエモンという存在が、急に凋落していく姿を見て、中高年のサラリーマンは自分の人生を見ているようで戸惑っているのでは」

−ライブドアの自由奔放という経営スタイルは。
 「肌に合う人、合わない人がいると思うが、少なくとも、会社の経費でなく自腹を切って仕事をこなしていく社員がいたこと自体、堀江氏に経営者としてのカリスマ性があった。席を横に並べて、コミュニケーションを取るという経営スタイルは評価できる。肩書や立場だけでものをいう経営者がいるが、そうではないと疑問を投げかけた姿勢は、他の企業も取り入れていくべき」

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小田 光康

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ライブドア  ライブドア事件  リストラ  サラリーマン  一橋大学  
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