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モスクワ五輪ボイコットの真相(106)

【PJ 2006年02月14日】− <激動五カ月間のドキュメント>
15.挙手の結果29対13で不参加を決定
<望みの綱・自費参加の道も閉ざされる>

安田 大体の趣旨は分かった。だから、ほかの面での発言をぼつぼつ許してもらえないか。

 ここからしばらくは、安斉と山口の話が続き、会議場は騒然となる。業をにやした広瀬は声を張り上げ、「乱れてきたので立ち上がってやらせていただく」と前置きして、次のような意見を吐く。

広瀬 これをやはり重要な議論だと思う。この半年間、われわれがいろいろ協議してきた中で、あらゆる要素を含んで出されたのは、これがはじめてだ。だから、いま安田委員から次に移ろうという話もあるけれども、やはりこの問題をとことんまで追求して、場合によってはこれを受け入れるかどうか、選択したらどうだ。そのような提案をしたいと思うが、いかが。(「賛成」と叫ぶ者あり)

 しかし、柴田は広瀬のこの提案も取りあげようとしなしなかった。

加藤 その前に、もっとフリートーキングをさせて欲しい。今日は意見を十分言わせていただきたい。

 昨日縮小参加ということで、各競技団体と限定選手に行けるんだというようなイメージを与えておきながら、今日のこの総会で、もし不参加というような決議になったとしたら、これは選手に対する冒とくだ。寝食を忘れてトレーニングに励んできた選手の人権問題であると、あえて私は申しあげる。

期待の瀬古もいるが・・・・(陸上競技)

 このように、体協理事会決議については、いろいろな意見が出されたが、柴田は「体協理事会決議は、JOCとしての態度決定を判断材料の1つとすることにし、これに対する質問は打ち切りたい」とし、次にいよいよエントリーすべきか否かについて競技団体選出委員から聞くことにした。

安田(陸上競技) 日本陸上競技連盟は、5月21日の夜から22日の午前、午後にかけて3つの組織で検討した。その時点において決まった連盟の考え方をまず申しあげる。

 (1)IOC憲章およびNOCの目的から考えても、オリンピック大会に参加することは当然のことである。が、

 (2)2月1日付JOC委員長見解、2月12日のIOC会長ステートメントおよび4月23日のIOC見解などを見れば、第22回オリンピック大会は、正しい雰囲気のもとに行われるとは思われない。

 (3)またアジアの大多数のNOCが不参加を決定している。

 (4)したがって、日本陸上競技連盟は、モスクワで開催されるオリンピック大会がオリンピックと称するにふさわしい姿で実施されることを強く要望するとともに、その日の来るまでエントリーする権利を留保するものである。ただし、JOCの決定は尊重するが、競技団体は同一行動をとるべきであると考える。

 ──以上が公式的な見解だが、これは重要な問題なので説明させていただきたい。【つづく】

■関連ブログ
伊藤公(いとう・いさお)の『モスクワ五輪ボイコットの真相』

■関連書籍
小田光康著、「スポーツジャーナリスト」という仕事
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 伊藤 公【 東京都 】
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