女性が雄鶏に襲われた鶏舎付近(画像は『10 daily 2019年9月2日付「Woman Killed By Her Rooster While Collecting Eggs」(Photo: Forensic Science, Medicine and Pathology/ Professor Roger Byard)』のスクリーンショット)

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このほどオーストラリアから、飼っていた雄鶏に攻撃された女性が死亡するという一報が届いた。鶏が人間に致命傷を与えるとは考えにくいことだが、女性が死に至った直接的な原因について専門家が警鐘を鳴らしている。『10 daily』『The Sun』『Mirror』などが伝えた。

オーストラリア州在住の76歳の女性がある日、自宅裏庭にある鶏舎付近で鶏が産み落とした卵を拾い集めていた。その時、飼っている鶏のうち1羽の雄鶏が女性の左脚をくちばしで突いて攻撃した。

すると突かれた箇所の傷から大量に出血し、女性はそのまま亡くなってしまったのだ。この鶏が人を死に至らしめた驚くべき事態について、アデレード大学のロジャー・バイアード法医学教授(Roger Byard)が調査を進めていた。

その結果、亡くなった女性は左脚に下肢静脈瘤があった。この疾患は血液の循環が悪いことなどの原因からうっ滞した静脈が膨れ、皮膚の表面に血管が浮き出るのが特徴である。

女性はちょうど下肢静脈瘤のあるあたりを2か所、雄鶏に突かれていた。それによってできた傷口から血液が一気に流れ、失血死してしまったようだ。また女性は他にも高血圧や高脂血症、インスリン治療が必要ではないほどの糖尿病を患っていたことが分かっている。

さらにバイアード教授は、この女性のように目で見て分かるような血管の疾患がある場合は比較的小さな家畜やペットに対しても注意する必要があると警鐘を鳴らし、このように訴えた。

「高齢者に対して、ペットなどの動物によって死に至る危険性があることを伝えねばならないと私達は思っています。たとえば猫は、甘えて飼い主の足によくまとわりつきます。それによって高齢者はつまずいて、転んだりする危険性もあるのです。」

また『10 daily』では、少し前にイギリスで飼い猫が女性の足を引っ掻いた後、今回の雄鶏に攻撃された女性と同様の理由で亡くなったことを伝えている。

バイアード教授によると、家畜やペットに攻撃された場合は決してうろたえず「傷口を親指で押さえたまま、大声で助けを求めるべき」とのことだ。

画像は『10 daily 2019年9月2日付「Woman Killed By Her Rooster While Collecting Eggs」(Photo: Forensic Science, Medicine and Pathology/ Professor Roger Byard)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)