中国メディアは、中国では自動車市場の失速に対し、正確に言えば「車が売れなくなった」のではなく、「日系車しか売れなくなった」のだと伝える記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界最大の自動車市場である中国で異変が起きている。新車販売台数は2019年7月まで13カ月連続での前年割れとなっており、失速は鮮明だ。需要の減退を背景に生産台数も前年割れが続いている。

 中国メディアの今日頭条は19日、中国では自動車市場の失速に対し、「誰も車を買わなくなった」、「車が売れなくなっている」などと形容されるようになったと紹介する一方、正確に言えば「車が売れなくなった」のではなく、「日系車しか売れなくなった」のだと伝える記事を掲載した。

 記事は、現在の中国自動車市場を正確に形容するならば「質の高い車しか売れなくなった」という表現になるとし、2010年ごろから一気に成長してきた中国自動車市場は現在、大きな転換期を迎えていると指摘。経済が好調だった時は「車内空間の広さ」、「ハイスペック」といった簡単な訴求でも車は売れたとしながらも、経済成長率が鈍化したことで「市場における淘汰の速度が上がり、消費者は慎重になり、質の悪いものは避けたいと考えるようになった」と強調した。

 続けて、フォルクスワーゲンやGMといった大手メーカーも自動車市場の減速に巻き込まれるなか、トヨタやホンダといった日系車メーカーは「減速の影響を受けるどころか、逆に販売台数を伸ばしている」のは興味深いと指摘。そして、日系メーカーは大切にブランドを育て、市場に投入しており、成長が見られる分野に慌ただしく新ブランドを投入したりせず、また補助金が出るからといってその分野に注力したりもしないと伝え、「とにかく日系車は品質とサービスが安定しており、その良好なクチコミが現在の販売台数に繋がっている」可能性を指摘した。

 さらに記事は、現在の中国自動車市場は「質の高い車はより売れるようになり、投機的な取り組みが行われてきた車は淘汰されつつある状況」だと伝え、トヨタやホンダなどの日系車はその前者に当たると伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)