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モスクワ五輪ボイコットの真相(98)

【PJ 2006年02月06日】− <激動五カ月間のドキュメント>
15.挙手の結果29対13で不参加を決定
<望みの綱・自費参加の道も閉ざされる>

JOCの独自の判断は、ルール上可能か?

広瀬 NOCの立場というものは、確かに清川さんの言われるとおりだが、体協事業の第10項によると、やはり体協事業の枠内で物を運ばなければならないことになっている。だから、今日の体協理事会の決議を単なる重要参考として読み、これを覆してJOCが独自に派遣するといった場合どうなるか、その辺をお答え願いたい。

飯沢 まだその結果を受けていないので、体協自体としてそういうことに対しての態度は決めていない。

広瀬 そうすると、JOCの独自の判断は、ルール上可能か不可能か。

柴田 独自に決めることは勝手だが、体協の予算執行の面では不可能だということだと思う。

笹原正三(レスリング) 体協の規程第6章第11条には「JOCはその所轄する事項に関しては、決定および実施の権限を有する」と書いてあり、JOC規程第5条第5項には「オリンピック競技大会、オリンピック冬季競技大会、アジア競技大会およびこれらに準ずる国際総合競技大会に日本を代表する選手、役員を選定して、選手団を編成、参加させること」と書いてある。

 これはやはりIOC憲章(注・オリンピック憲章のこと)に基づくNOCの自主性を尊重してできた規定だと思う。したがって私は、規程上、選手を編成し、参加させる決定(権)は当然JOCにあると解釈している。IOC憲章に基づいて、こういう規定ができたと解釈するけれども。

岩田幸彰(学識経験) いまの議題に関連して、私からも意見を申し上げたい。

 まず藤田委員から、かつてわれわれの先輩が軍部の圧力にも屈せず、極東大会に参加したことを例にあげ、自主的に参加をしてきたと言われ、ここで体協の圧力に屈することは、JOCとして先祖に対して恥ずかしいというような向きもあったが、私は参加する、しないということは、その大会の性質がいいものであるかどうか、要するにアマチュアスポーツの本当の祭典として立派なものであるかどうかによって諮られるのではないかと思う。

 オリンピックに参加する選手団を編成し、派遣することはNOCの使命であることは当然だ。しかし、オリンピックに必ず毎回参加しなければならないという義務はNOCにない。JOCは今回、世界の若人が集まる平和なオリンピックが、良識者の英知と勇断を持って世界情勢が何とか平和に少しでも進んでくれて、立派ないい形のオリンピックが開催されることを期待して今日まで待ちに待ってきた。

 行く行かないのは決めるのはこれからだが、もし行くとなれば、予算の執行その他で体協の制約を受けるのは当然だ。行く行かないにあたっては、今回オリンピックが、われわれが参加するにふさわしいものであるかどうかの判断をここでつけることではないかと思う。【つづく】

■関連ブログ
伊藤公(いとう・いさお)の『モスクワ五輪ボイコットの真相』

■関連書籍
小田光康著、「スポーツジャーナリスト」という仕事
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 伊藤 公【 東京都 】
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