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モスクワ五輪ボイコットの真相(95)

【PJ 2006年02月03日】− <激動五カ月間のドキュメント>
15.挙手の結果29対13で不参加を決定
<望みの綱・自費参加の道も閉ざされる>

「体協理事会決議を判断の糧に」と要望
 注目の総会は、定刻午後2時30分にはじまった。冒頭に柴田は文部省体育局長の柳川のオブザーバー出席について諮り、これが了承された。そのあと柴田は「本日の午前10時半から体協の理事会が開かれ、モスクワ・オリンピック関係に対する日本体育協会理事会決議が行われた。そこで、その間の状況について体協の飯沢専務理事より説明をお願いしたい」と語り、まず飯沢に説明を求めた。

 以下、速記録に基づき、各委員の発言内容を文章ことばにし、若干の解説を加えながら紹介する。どういうことを言おうとしているのか、意味不明の場合は、その委員に速記録を示して確かめている。したがって内容に誤りはないはずである。

 飯沢重一(体協専務理事) JOCの第22回オリンピック競技大会に対する「世界の若人が参集して、友好と平和のうちに開かれるということを前提として参加することを原則とする」という態度については、前回行われた体協の理事会においても全員一致承認をし、推進を希望していた。

 その際に、その後の事態の推移もあり、もう少し国外における情報を的確につかんでおく必要があるとのことから、JOCの了承も得て、アジア地区には安田、佐野両委員、ヨーロッパ地区には福山委員兼体協理事(競技力向上委員長)を派遣し、それぞれの情勢を調べてもらい、報告を受けた。

 と同時に、政府は2月1日と4月25日に政府見解を発表し、それが新聞等でも伝えられたけれども、体協として政府から正式なお話を承る機会がなかったので、本日特に大平総理大臣の了承のもとに伊東官房長官に政府の代表として理事会にご出席を願い、政府の見解を表明していただいた。

 その大部分は4月25日の政府見解の要旨に尽きるが、それにつけ加えて、最近の閣議などが申込期限の日時が迫った現況においては、もう少し政府の態度を明確に伝える必要があるとのことから、いままでのような「参加は好ましくない」というようなことではなく「参加は派遣する団体の大小にかかわらず、ナショナルエントリーすることには反対である」、こういう率直なる意見の表明を受けた。

 そのご意見と外国を視察された各委員の報告を中心にして、理事会でフリートーキングをした。各理事からそれぞれ意見の表明があったが、その結果を集約して、いまお手元に配っている“日本体育協会理事会決議”を採択した。

 (このあと飯沢は、理事会決議を朗読)

 われわれの希望とすれば、この決議を、本日のJOC総会の重要なる資料のひとつとして判断の糧にしていただきたい。そう思って差し上げたわけである。

 ─ここで柴田は「質問があれば伺いたいが、参加するかしないかはJOCが独自に決めるという原則に立っているので、よろしくお願いしたい」と語り、JOCの自主性を主張した。そのあと、各委員から次のような発言があった。【つづく】

■関連ブログ
伊藤公(いとう・いさお)の『モスクワ五輪ボイコットの真相』

■関連書籍
小田光康著、「スポーツジャーナリスト」という仕事
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 伊藤 公【 東京都 】
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