「ワレワレハ、宇宙ジンダ」。映画の世界では、宇宙人がよく登場する。円盤に乗ってきて、カラダは銀色、なんて想像をしてしまいます(ややステレオタイプですが)。しかし、実際のところ宇宙人ってホントにいるんだろうか? 大いにギモンを感じていたところ、兵庫県の西はりま天文台では、レーザー光観測で宇宙人が発する光をとらえようというプロジェクトが行われているという話が。OH! ワレワレハ地球ジンダ!

 そもそもアメリカのハーバード大学やプリンストン大学、カリフォルニア大学などではもう試みは始まっていて、ハーバード大学には宇宙人探し専用の光学望遠鏡もあるとか。こちら日本ではこの西はりま天文台が初めて。国内最大の光学望遠鏡、2メートルの「分光器」を使い、宇宙人が放射するレーザー光線をキャッチしようという試みが行われた。2005年の11月から本格的に取り組みが始まり、今では宇宙に関心を向ける人にとどまらず一般の人にも大人気。それにしてもなぜ、宇宙人? レーザー? 素朴な疑問も含めて、西はりま天文台の鳴沢さんにお話をうかがいました。

 あの・・・。水を差すようですが、本当に宇宙人っているのですか?

 「そればかりは私にもわかりません。しかし、いないからこそまずは探してみるということが大切ではないでしょうか?」

 具体的には、宇宙人を探すためにどんな方法をとっているのですか?

 「宇宙人を探しているといっても、やみくもに望遠鏡で星を探している訳ではなく、ターゲットを絞って探しています。ちなみに今の時期から夏までは『かに座の55番星』を探索してます。ここで、強い光が出る緑色レーザーがあるかどうかを「なゆた」と分光器で観測しています」

 一般の人も参加してのプロジェクトは国内初。「宇宙人なんていないよ〜」と言いながらも参加している少年の目は輝いている。

 「今は月に2回のペースで開催しています。天文台にある宿泊施設に泊まって探索をしていただくことになりますが、おかげさまで現在は予約で一杯です。空きが出ることもあるので、まずは電話で問い合わせてみてください」(同)

 「世界ではテロや戦争が絶えませんが、宇宙規模で考えたらみんな同じ地球上の生き物。このプロジェクトは、一般市民と行うということに重要な意味があります。この探索が何かを見つめ直すきっかけになれば嬉しいですね」(同)

 人間はどこから来たのだろう? と思いをはせながら望遠鏡を覗き、星を眺める。宇宙人探しは、実は「自分」という壮大な生命体を見つめ直す第一歩なのかもしれませんね。(押木真弓/verb)