店のフェイスブックでも「日本人客お断り」を説明

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沖縄県の石垣島にあるラーメン店が、日本人客の入店を拒否したとフェイスブックなどで明かし、波紋が広がっている。

外国人客だけを受け入れるというのだが、一体どんな事情があるのか店に話を聞いた。

「お気持ち、察します」「言ってる意味がわからない」

「日本人のお客様へ」。このラーメン店「麺屋 八重山style」は、2019年7月1日から入口のドアにこんなタイトルの貼り紙を出している。

そこでは、日本人観光客のマナーが年々悪化しているとして、「日本人のお客様はお断りしています」などと背景を黄色く塗って強調されていた。9月末までの3か月間の措置といい、「地元のお客様や毎年、来てくれるお客様には申し訳ありませんが協力お願いします」と訴えている。

この店は、フェイスブックで5月3日、夏の繁忙期には観光客が増えて、マナーの悪い人たちの入店で営業しづらくなるとして、日本人客の入店をお断りすると告知していた。実際に7月に始め、フェイスブックでも事情を説明している。

日本人客お断りが7月12日に沖縄の地元紙で報じられると、そのウェブ版ニュースのコメント欄やツイッターなどでは、聞いたことがないような内容に驚きの声が上がった。

その書き込みを見ると、「自分勝手で横柄な態度の客がいるのは事実」「お気持ち、察します」「お店側も客を選んでいいと思う」と共感の声も多い。一方で、「言ってる意味がわからない」と疑問をぶつける意見もあった。

この店の店長(42)は7月13日、J-CASTニュースの取材に応じ、日本人客お断りの貼り紙を出した理由を説明した。

勝手に飲食物持ち込み、アルバイト怒鳴りつけ...

それによると、カウンターに8席しかない店に客が増えてきたため、「一人一杯、麺類の注文をお願いします」「乳児・幼児お断り」の貼り紙を出している。

しかし、これを伝えても、2人で1杯しか注文しなかったり、飲食物を勝手に持ち込んで注意するとキレたりするマナーの悪い客も目立つようになった。乳幼児連れで入店しようとして、「赤ちゃんにも1杯食わせるのか!」などとアルバイトに怒鳴りつけた夫婦もいたという。アルバイトもストレスなどから店を辞め、店長1人で切り盛りするようになってしまった。

一方、店には、クルーズ船で来る台湾や香港などの外国人客も多いが、ルールを一度伝えると守ってもらえることが多かったという。

この状態では、接客が大変になり、その質も落ちると店長は考え、日本人客お断りの対応を採ることに決めたという。

ただ、この対応を始めてから、状況が一変したそうだ。

「客が全然いないんですよ。昨日も2人だけでした。さすがに、いろんな人から文句を言われましたね。経営的には困っていますが、体を休め店の掃除をするなどして、しばらく頑張ろうと思っています」

10月から通常営業を再開し、様子を見てから、店を会員制にすることも検討しているとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)