場所取りをめぐる独特の習慣に警鐘(画像はイメージ)

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アイドルグループ「アストレイア」メンバーの天見綾沙さんが2019年5月29日にツイッターを更新し、ライブに参加するファンの行為に自制を求め、アストレイアのファンを中心に波紋を呼んだ。

問題になったのは「最前管理」という習慣である。

「なんでひとりで前全部占領しちゃうの?」

「最前管理」とは、ライブ会場で最前列を特定のファンが占拠する行為や、それを行うファンを意味する。「一番いいポジション」をめぐる問題ゆえに、トラブルが絶えない。

「フェスでは出番のグループのファンに最前列を譲る」などのいくつかのマナーがあるものの、現場での振る舞いは最前管理も含めた観客の自浄作用にゆだねられているのが実態である。最前列を占拠したグループから、場所を譲るのにお金を要求された、といった被害報告も、SNSなどでは散見される。

アストレイアは5月24日に初のワンマンライブを開催。その際に手売りでチケットを販売していたが、ライブになると最前列が少人数のファンによって占められていたと、天見さんは投稿した。

「なんで譲り合わないの?普通、入場番号2番・3番目って前行けるよね?なんでひとりで前全部占領しちゃうの?」
「最前管理だか何だか、私は知りませんが、ただただ、悲しくなりました。その場所はあなたの私有地ですか?みんなのものじゃないんですか?」

など、強い調子で最前列を独占するファンの行為を非難した。手売りチケットの整理番号はランダムで、平等に良い場所で見られるように配慮したものだったが、一部のファンによりその意図は踏みにじられた形だ。

ファン同士の思いやりを呼びかける

アイドルのファンには、長年のファン、いわゆる古参を中心に知り合いのみでチケットを融通し合い、毎回ライブに参戦しては場所を独占するといった、現場を私物化するような行為も少なくない。こうした「厄介」オタクに対してSNSなどで自戒を求めるファンもいるものの、基本的によほどのトラブルがない限り運営側は介入せずにいる。規模の大小を問わずグループアイドルについてまわる問題である。

「知らなくても、笑い合える仲間が居て 知らなくても、同じ人達を応援し合う
その中で譲り合いや、マナーを守ったり アイドルもファンもお互いを思い合って
また明日もよろしくねって言いたいです」

とファンに良識を求めた天見さん。7月25日の開催予定の一周年ライブを前に、「悲しい思いをするファンが居ない素敵なライブを一緒に作ってください」とも呼びかけた。

エスカレートする一部のファンの行為に、アイドルの側が警鐘を鳴らした形だ。