「本当に一瞬の出来事でした」

【写真】「奇跡の42歳」とのコピーが躍る岩本容疑者のファースト写真集

 事件を目撃した売店店員は衝撃の光景をこう振り返った。

 事件が起きたのは5月18日(土)の夕方。場所はJR熱海駅の東海道新幹線改札口付近で、女がカッターナイフで男性の顔を切り付けたという。付近に血しぶきが飛び散り、湯治客で賑わっていた駅構内は凍り付いた。


事件が起きたのは熱海駅の構内。当時は観光客で賑っていた ©文藝春秋

「新幹線のホームから突然、男性が階段を駆け下りてきたのです。男性が改札にたどり着き、足を止めた瞬間、後ろから追いかけてきた長い髪の女性がカッターナイフで男性の右頬を切りつけました。

 真っ赤な切り傷からは、骨みたいなものも見えました。男性は頬を手で押さえながら在来線の出口方向へ走り、女性もまた追いかけて走っていきました」(同前)

 逮捕されたのは大阪市在住の女(43)、被害者は東京都港区の自営業男性(34)。実はこの女、グラビア界ではよく知られた女だった。

「その後の調べで、犯人は雑誌などで活動しているグラビアモデルの岩本和子だと判明しました。癒し系グラドルの井上和香によく似た美人です」(地元紙記者)

 岩本が芸能界デビューをしたのは36歳。きっかけとなったのは「第3回国民的美魔女コンテスト」への応募だった。

「当時はOLとしてIT系の会社に勤務していました。交際していた14歳年下の外国人男性に振り向いてほしくて、エステやネイルに通うようになり、コンテストも彼を喜ばせるために応募したそうです。その頃はまだ地味で垢抜けませんでしたが、身長167センチのグラマラスなスタイルが審査員の目にとまり、ファイナリストに選ばれました」(芸能プロダクション関係者)

 その後、タレントとしてデビューするも鳴かず飛ばず。しかし39歳のときにスマートフォンで自撮りした動画をDVDにして売り出したところ、オリコンデイリーチャートのDVD総合ランキングで1位を獲得したのだ。

「アラフォーとは思えない容姿で“奇跡の42歳”などと持て囃され、仕事が激増しました。写真集は『神秘』(光文社)など売れ行きも好調で、DVD『癒しらいぶ〜ほんのり好きでいて下さいませ〜』(ゴマブックス)もオリコンデイリーチャートのDVD総合ランキングで1位を獲得しました。今年3月には遠藤憲一主演のドラマ『さすらい温泉遠藤憲一』(テレビ東京系)に旅館の女将役で出演。5月公開の映画『魔睡』では濡れ場を披露した。かなりの遅咲きとはいえ、芸能活動も軌道に乗り、順調でした」(同前)

 ブレイク後、岩本は「NEWSポストセブン」のインタビューに自らの身の上話をこう披露している。

「鳥取県で生まれ、会社を営む母の実家で両親と弟の4人暮らしでした。母は教育ママで気位が高い人でしたが、父は12歳の時に家を出て行ってしまったので、思い出はあまりありません。(中略)誰かにかまってほしくてSNSで自撮り画像を投稿するようになったのが今の私の原点であり、当時の生きる糧でした」(19年3月19日付)

 しかし、グラドルとしての人気とは裏腹に、プライベートでは自らの感情を抑えられず、不穏な動きを見せていた。

「SNSにはいつも自身の日常やセクシーな写真がアップされていたのですが、今春に入り、突如《殺される》といった意味不明なつぶやきが始まったんです。その後も《レイプされて妊娠した》などとして、特定男性の実名を公開するなど、ネットでは彼女の精神状態を心配する声が多数上がっていました」(同前)

 現在、岩本容疑者のフェイスブック、ツイッターは既に閉鎖されているが、文春オンラインでは事件前の書き込みを入手。実際、ツイッターにはこんなコメントがアップされていた。

《皆さ、あお母さんさようなら どうか〇〇〇〇に極刑を……傘¥み様……かみさmあ》
《もうだめだ》
《助けて》
《警察は殺されないと来てくれない》
《助けてください 殺されます》

 伏せ字にした「○○○○」は、今回の被害男性の実名だ。

 同時期のフェイスブックでも同様に、不穏な書き込みが並んでいた。

《○○○○という男に殺される 助けてください。。誰か》
《生まれてきてごめんなさい。お母さん ○○○○なんかに殺されてごめんなさい》
《相手 〇〇〇〇 理由 レイプによる妊娠》

 なかには《2019年5月13日 16週4日》という直筆のメモとともに、胎児が写ったエコー写真もアップされていた。これが本人のものなのかは不明だ。

「このSNSの書き込みが影響して、5月19日に予定されていた、写真集の出版記念イベントが中止になりました。写真集のタイトルは『いけない旅情』(小学館)。主催者である週刊ポストは岩本の体調不良を理由にしています」(イベント関係者)

 岩本容疑者は、5月17日付けの自身のブログで《みなさま、私は必ず復活をし、週刊ポストさまの信頼を回復させ、ファンの皆さまの元へすぐ戻ってまいります》とコメントしたが、結局、これが最後のブログ更新となった。壮絶な事件が起きたのは、この翌日だった。

 冒頭のシーンに戻ろう。改札で岩本容疑者に切り付けられた男性は、血だらけになりながら100メートルほど走り、在来線改札口横にある商業施設へ助けを求めて逃げ込んだ。

「男性は証券会社から独立して都内で会社を経営している。短髪で筋肉質なスポーツマンタイプ。顔は血で真っ赤だったそうです」(地元紙記者)

 商業施設は観光客や買い物客でごった返していた。そこに警備員の「捕まえてくれ!」といった声が響き渡った。目撃した客が振り返る。

「18時前だったと思います。商業施設の出入口近くの休憩スペースに座っていると、警備員の緊迫した声が聞こえたので周囲を見渡しました。すると、黒いTシャツ姿の男性が小走りで店内に駆け込んできた。続いてオレンジのカーディンガンにミニスカートの女、その後を警備員が追いかけていました。男は反時計回りで店内を逃げ回り、それを女がカッターナイフを手に追いかけ回していた」

 わずか5分後、女性は警備員とJR職員に取り押さえられた。

「確保された直後、女は片腕を警備員に、もう片腕をJR職員に掴まれて床に座り込みました。JR職員が『カッターを離せ!』と女から刃物を取り上げると、少し身をよじったきり、うなだれていました。大声を出したり、泣き喚いたりすることはありませんでした」(同前)

 被害に遭った男性は少し離れたベンチに座り、茫然としていた。

「顔から血が滴り落ち、床には血だまりが出来ていた。女性が確保されると男性は安堵したようでした。土産物売場の店員がタオルを持って来て、止血や手当をしていました」(同前)

 警察が現場に到着したのは18時20分頃。現場に居合わせた客は、岩本容疑者の“ある行動”が今でも忘れられないという。

「確保された女性は警察官に両腕を掴まれていましたが、ぐったりと疲れ果てた様子でした。ただ、連行される直前、女はなぜか周囲の客に対して一礼したのです。そのあと、無言で連行されていきました」(同前)

 岩本容疑者は静岡県警熱海署に傷害の容疑で逮捕された。

 被害男性が経営する会社に取材を申し込んだが、「何も関係ありません」と回答。

 取材班は鳥取県にある岩本容疑者の実家を尋ねた。インターフォンを鳴らすと、玄関から母親と思しき女性が顔を出したが、「週刊文春です」と告げると、無言のまま、大きな音を立ててドアを閉め、取材に応じることはなかった。

(「週刊文春」編集部/週刊文春)