思惑があるのは間違いない(C)日刊ゲンダイ

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 これは前代未聞だ。安倍首相が自分から「解散風」を煽ってみせた。

安倍首相“幇間”外交大失敗 トランプ手の平返しで円安叩き

 30日、経団連の総会で挨拶に立った安倍首相。トランプ米大統領と一緒にゴルフをした時の天気を「すごい風だった」と振り返りながら、「風という言葉には今、永田町も大変敏感だ」「ひとつだけ言えるのは、風はきまぐれで、誰かがコントロールできるようなものではない」と言い放った。解散権を持つ首相が、自ら「解散風」に触れるのは異例のことだ。

「解散風」は4月以降、猛烈に強まったが、今週に入ってから収まりはじめていた。なのに、安倍首相は再び「解散風」を強めた格好だ。思惑があるのは間違いない。一体なにを狙っているのか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。

「立憲潰しが狙いでしょう。ひとつは、兵糧攻めです。立憲民主党のウイークポイントは、貧乏政党だということです。貯金もなく、給付される政党助成金も国民民主より少ない。先月、支給された額は、自民党44億円に対し、8億円でした。でも、衆院選が近いとなったら、新人候補を擁立するなど選挙準備を進めざるを得ない。当然、カネがかかります。安倍首相は解散風を煽り、立憲にカネを使わせて干上がらせるつもりでしょう。もうひとつの狙いは、国会審議に集中させないことです。野党は総理が出席する予算委員会の開会を求めています。でも、安倍首相は予算委員会を開きたくない。進展しない“日ロ外交”や、日米貿易交渉の“密約説”を追及されるのは目に見えているからです。解散風が強まれば、野党議員も選挙区に張りつき、国会審議どころではなくなります。安倍首相はそれを狙ったのでしょう」

 安倍1強が6年間もつづき、この世の春を謳歌している安倍首相は、自分の発言で野党議員が右往左往するのを楽しんでいる、という解説も流れている。

 しかし、狙いは不発に終わる可能性が高いという。

「4月に解散風が強まった時は、野党議員も浮足立っていましたが、さすがに安倍首相の狙いに気づきはじめている。“解散するならすればいい”と腹を固めはじめています」(野党関係者)

 こうなったら野党は、「不信任案」を突きつけて解散させるべきだ。