外環道と成田空港を最短で結ぶ計画の幹線道路「北千葉道路」のうち、ルートも決まっていなかった外環道から鎌ケ谷市にかけての区間で、道路構造などの概略がまとまりました。有料の専用部と、無料の一般部が整備されます。

外環道から国道16号まで「有料区間」整備

 東京方面と成田空港を結ぶ新たなアクセス道路となる国道464号「北千葉道路」、その最後のピースが埋まりそうです。

 千葉県や国土交通省、関係自治体などでつくる「北千葉道路連絡調整会議」が2019年5月23日(木)、外環道接続部(千葉県市川市)から鎌ケ谷市にかけての未開通区間およそ9kmにおける、道路構造などの概略計画について合意しました。


北千葉道路の未開通区間について、概略計画がまとまった(画像:千葉県)。

 北千葉道路は千葉県市川市から成田市に至る約43kmの幹線道路で、外環道と成田空港を最短で結ぶルートとして計画されています。この道路ができれば、関越道や東北道の沿線などから、東京湾岸の東関東道を経由することなく成田空港へ向かうことができ、湾岸地域の渋滞緩和にもつながると期待されています。

 2019年5月現在、北千葉道路は北総線および成田スカイアクセス線に沿う鎌ケ谷市から成田市にかけての29.5kmが開通済み、そこから成田空港付近までの3.7km区間も建設が進められています。一方、西側の外環道から鎌ケ谷市までの区間は、住宅地や市街地が広がっていることもあり、ルートも決まっていませんでした。

 今回の連絡調整会議で示された概略計画によると、同区間は次のような構造となります。

・自動車専用の「専用部」と、並行する「一般部」を設け、専用部は有料とする。
・専用部は早期整備を目指して高架構造を基本とする。ただし外環道接続部から約1.6kmの区間、および北総線交差部の前後(松飛台地区)約1.7kmは地下構造を基本とする。
・専用部には主要道路との交差地点に5か所のICを設ける。
・一般部は地上を基本とし、主要道路と平面交差する。

 なお、未開通区間に続く鎌ケ谷市内から国道16号までの既存区間およそ6kmについても、有料の専用部と1か所のICが新設され、未開通区間と一体的に整備されます。この区間は、既存の印西市区間などと同じく、掘割の底部を通る北総線の両側に専用部を新設する形です。

いつ開通?

 北千葉道路は2001(平成13)年に、国が大都市圏の国際競争力と高めるとして、外環道の千葉区間(三郷南IC〜高谷JCT、2018年6月開通)とともに早期の具体化を推進する道路として位置付けていました。

 千葉県道路計画課の北千葉道路整備班によると、国の協力も得て2012(平成24)年に第1回北千葉道路連絡調整会議の開催にこぎつけ、さらに約7年をかけて今回の概略合意に至ったとのこと。


北総線に沿う北千葉道路。印西市内などでは、掘割の底部に北総線と北千葉道路の専用部、土手上に一般部が設けられている(画像:photolibrary)。

 ただ、開通時期などは未定です。「今後、環境アセスメント(環境への影響評価)や都市計画などを進め、住民の方に向けた説明会なども開催していきます。まずは、そういったところをしっかりやらなければいけません」(千葉県道路計画課)と話します。

 ちなみに、外環道へ北千葉道路が接続する「北千葉JCT」予定地点には、それを見越して外環道側にランプウェーなどが一部設けられています。また千葉県道路計画課によると、北総線も北千葉道路との交差部については、道路が下をくぐることを前提とした構造になっているそうです。