トランプ米大統領 <(C)FAMOUS>

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令和最初の国賓として迎えられたトランプ米大統領が2019年5月27日夜、新天皇・皇后両陛下主催の宮中晩さん会に出席した。

天皇陛下のあいさつを受け、トランプ氏は新元号の典拠とされた「万葉集」について触れた。その手の込みように驚きの声が上がっている。

大伴旅人、山上憶良に言及

トランプ氏はスピーチの中で、令和が万葉集第5巻「梅花の歌32首」の序文から2字を取られていることを踏まえ、その歌人についても触れた。

「令和がその由来をもつ万葉集の第5巻には、2人の歌人によって書かれた文章の中に、この瞬間に関する重要な洞察を与える記述があります。その歌人の一人は、大伴旅人ですが、春がもつ潜在的な可能性について書いています。もう一人の歌人は山上憶良で、1人目の歌人の良き友人であり、家族や将来の世代に対する私たちの厳粛なる責任を想起させます。これらはいずれも古来の叡知から受け継がれてきた美しい教えです」(27日、NHKウェブ版)

「梅花の歌32首」は歌人・大伴旅人が自宅で開いた歌会で詠まれた歌をまとめたもので、序文「初春の令月にして気淑よく風和らぎ」の作者については大伴旅人、山上憶良などの説がある。

トランプ氏が万葉集の教えに言及したことについては、ツイッターでは驚きの声が散見される。

「形式的では無い、すごく意味の込められたメッセージ、と感じた...」「トランプのスピーチの原稿を書いた人は深く勉強してきたな」「ほうほう、万葉集の具体的内容にまで踏み込むとは、米のスタッフもずいぶん手のこんだ挨拶文作ったものだ」「トランプ大統領が万葉集を出してくるとは予想外。元号繋がりで、上手く話持っていったなあ」

28日朝放送の情報番組「モーニングショー」(テレビ朝日系)で羽鳥慎一アナウンサーがこの話題に触れると、同番組に出演した宮内庁の元職員で、皇室ジャーナリストの山下晋司さんは

「おそらく安倍総理といろいろ話をしてこういうスピーチになったんでしょうね。そうとしか思えないですよね」

と指摘していた。