2018年決算の上場企業2,591社の平均年間給与は606万2,000円(中央値593万5,000円)で、前年より7万円(1.1%増)増えた。給与の増加は2012年から7年連続で、8年間で42万5,000円(7.5%増)上昇した。伸び率(前年比1.1%増)は、2017年(同0.6%増)を0.5ポイント上回り、2016年(同1.0%増)以来、2年ぶりに1%台の上昇率となった。
 平均年間給与の最高はM&AアドバイザリーのGCAの2,063万3,000円(前年1,559万円)で、唯一の2,000万円台。2位は不動産賃貸のヒューリックの1,636万円(同1,530万6,000円)。事業承継や都心部での再開発など活況な不動産業界を反映した。3位から5位には総合商社が名を連ね、1,000万円以上は31社(前年28社)で過去最多となった。
 業種別では、建設業(718万7,000円、前年比1.6%増)が4年連続でトップ。一方、最低は小売業の473万8,000円だったが、6年連続で平均年間給与は増加している。
 国税庁の民間給与実態統計調査(平成29年分)によると、平均給与は432万2,000円(うち、正規493万7,000円)で、5年連続で前年を上回った。ただ、上場企業の平均年間給与と2017年で167万円の差がある。業績好調を背景に、上場企業の平均年間給与は上昇をたどっているが、中小企業は人材確保による人件費アップを避けられず、規模による収益格差は広がっている。


  • 本調査は、2018年1月期-12月期決算の全証券取引所の上場企業を対象に有価証券報告書の平均年間給与を抽出、分析した。2011年決算から連続して比較可能な企業を対象(変則決算企業は除く)とし、持株会社は除いた。業種分類は証券コード協議会の定めに準じた。


業種別 建設業が4年連続トップ、平均年間給与が唯一の700万円超

 業種別では、最高が建設業の718万7,000円(前年707万3,000円)。2015年(671万2,000円)から4年連続でトップを守り、平均年間給与が唯一、700万円台に乗せた。次いで、不動産業696万4,000円(前年675万4,000円)、電気・ガス業672万5,000円(同673万4,000円)と続く。
 トップの建設業は活発な建設投資による業績改善だけでなく、人材確保のための賃金アップもあるようだ。一方、最低だったのは、小売業の473万8,000円(同471万4,000円)で、唯一、400万円台にとどまった。次いで、サービス業540万6,000円(同535万1,000円)、水産・農林・鉱業602万円(同602万9,000円)の順。トップの建設業と最低の小売業の差は244万9,000円(同235万9,000円)と1.5倍の格差がある。ただ、小売業は6年連続、サービス業も8年連続で、平均年間給与が前年を上回り、待遇改善は進んでいる。
 増減率では、10業種のうち、金融・保険業(前年比0.19%減)、水産・農林・鉱業(同0.14%減)、電気・ガス業(同0.12%減)を除く7業種で前年を上回った。伸び率は、最高が不動産業の前年比3.1%増。唯一、伸び率が3%台で他業種より高く、都市部を中心に、活発な市況が業績に反映した。以下、卸売業が同1.8%増、建設業が同1.6%増の順。労働集約型の産業である運輸・情報通信業は前年比0.7%増、小売業は同0.5%増だった。減少率が最も高かった金融・保険業は2年連続で前年を下回った。マイナス金利による低金利競争が続き、金融機関の収益環境の深刻さを浮き彫りにした。