篠塚建次郎氏が語る胸中とは(篠塚建次郎オフィシャルウェブサイトより)

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 今では街で見かけることはめったにないが、かつて「パジェロ」といえば、“カッコいい男”が乗る車の代名詞だった。その、パジェロの国内向け生産を8月で終了すると三菱自動車が発表したのは、4月24日のこと。一時は年間17万台を生産するほどの人気車だったが、昨年度の国内販売台数は621台である。

 モータージャーナリストの清水草一氏が言う。

「パジェロは日本のSUV車の先駆けとも言える存在です。しかし、今では各社が競ってSUVを出しており、存在感が薄れたともいえる。三菱自動車においても、パジェロはデリカD:5のようなミニバンにアウトドア・カーの主役を奪われていたのです」

 全盛期のパジェロを語るうえで欠かすことの出来ない人物が篠塚建次郎氏(70)である。俳優の夏木陽介氏とともにパジェロを駆って「パリ・ダカール・ラリー」など、世界中のラリーに参戦、WRCで2回優勝した元社員ラリーストだ。2002年の「パリ・ダカ」3位入賞を最後に三菱を退社し、今は山梨県の清里でペンションを経営している。その篠塚氏に聞くと、

「やはり生産終了は“さみしい”の一言です。パジェロが売れたおかげで、当時(1990年代)は会社もトヨタ、日産を脅かすほどの勢いがありました。しかし、その後の不振をなぞるように会社にも勢いがなくなってしまった。売れない理由は様々でしょうが、クルマとしての魅力がない。それに尽きると思います」

篠塚建次郎氏が語る胸中とは(篠塚建次郎オフィシャルウェブサイトより)

 篠塚氏は、会社を辞めてからパジェロに乗ったことは一度もないそうだ。

「週刊新潮」2019年5月23日号 掲載